商学部の現場

CASE11

見て食べて考える

~白衣を着て商品開発!~

自分の味を追い求めて試食を繰り返す学生たち

商学部の学生が白衣を着る授業がある。「キャベツとこの醤油は合う!」「梅の酸味とキャベツは調理法により相性が変わるなあ」。浅賀先生のもとで学生たちは新しいレシピの開発に挑戦する。
和気あいあいとした雰囲気の中、茹でたキャベツに様々な調味料を合わせ、一番合う組み合わせを探し出していく。

新たな刺激を学生に

「商品開発に興味があったのでとりました。商学部で理系的な観点からこのプロセスを体験できる授業は他になくて珍しいです」。
今年の授業では「工場野菜」という、土を使わず室内で育てられた野菜を使っており、それは明治大学にある「植物工場基盤技術研究センター」から提供される。清潔で味も癖がないのが特徴で、将来私たちの食卓のメインを務める可能性のある最先端の野菜だ。この特徴を生かしたレシピを、学生たちは考えなければならない。

実際に野菜に触れ、試食し、学生たちは刺激を受ける。
「わくわくします。これで何を作ろうか、どんな味をつけようか、あれこれとイメージがわいてきます!」。
積極的に工場見学にも行き、実験も多い。多くの刺激を受けることで、学生たちはモチベーションをあげ、新しいアイデアや可能性をぐんぐん広げていく。

商品開発の基礎「トライアンドエラー」

発表に向けての準備の途中、普段触れる機会がないからか新たな発見、失敗がいくつもでてきた。なかでも実験データとの向き合い方に慣れていない学生が多いと浅賀先生はいう。
「一度失敗しただけですべてダメだと落ち込んでしまう学生が大勢います。実験は結果を分析して課題を見つけ、仮説を修正し、方法を変えて、何度も繰り返して、やっと成功にたどり着くんです。一回の失敗で結果は決まりません」。

レシピ開発に役立てるため、味や香りをしっかり記録

開発したレシピの発表準備のため学生は授業外にも集まってメンバーで話し合った。発表に使うデータや成果はもちろん、写真も自分たちで撮影したものを使用する。アイデアを出し、実験で確認、失敗したらもう一度…。「トライアンドエラーのプロセスを実際に体験して、商品開発の基礎能力がついたと思います」。何度も何度も失敗を繰り返す、しかしその失敗の連続こそが学生自身の力になるのである。

日常をちょっと変える視点

「料理は普段から全然したことがなかったです。しかしこの授業を通して様々な調味料や調理法に実際に触れました。最近では家でサラダのドレッシングを作ったりおかずの味付けをしたりするようになりました」。
楽しみつつ、調理科学を身をもって体験した学生たちは、商品開発における方法論を実践的に学ぶことができた。普段と少し違った刺激を受けることで、日常に新しい視点を加えてみてはどうだろうか。

Editor

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