商学部の現場

CASE13

これが商学部の留学だ!

~プレMBAプログラム~

20分間英語で話す緊張のプレゼンテーション

「とにかくビジネスを学びたい!」「自分を変えたい…」「異文化に触れたい」。
それぞれ異なる目標を抱いた学生たちが、夏期休暇の1カ月間、カナダのトロントにあるヨーク大学で、MBA取得者のスクール講師から世界のビジネスを学ぶプログラム、それが商学部の「プレMBAプログラム」である。
学生主体の参加型授業や現地の人々との出会いを体験しながら、1カ月後には成長のカタチはそれぞれ違っても、彼らは「新しい自分自身」を見つけていた。

初回からディスカッション?

ヨーク大学に到着して初めての授業。教室に集まった学生は、突然左右二列に分けられた。そしてアメリカ人のマリア先生が一言。
「Let's start a discussion in English!」
教室中がどよめいた。英語のディスカッションなんて大半の学生が初体験。しかもそれを最初の授業で行うなんて…。そんな学生たちを尻目に、ディズニーランドの戦略は成功か否かというディベートが始まった。もちろん文法は曖昧なまま、頭の中で単語を探してとりあえず口にする。切羽詰まった記憶しか残っていないが、こんな刺激的な環境は国内では経験できない貴重な「戦場」だった。

これでおわかりであろう。このプログラムの一番の特長は、英語による徹底した「参加型授業」だ。「ディベート」「ディスカッション」「ロールプレイ」「プレゼンテーション」がほとんどで、学生が活発に発言をして初めて授業が成立する。朝から夕方まで、机に視線を落とすことはない。

参加型授業が学生を変えた

「英語脳に切り替えるための必須アイテムはカフェのコーヒーと甘いマフィン。毎朝みんなそれを買って授業に臨んでいました」と宇野晋太郎さん(2014年商卒)は語る。慣れない英語に初めは戸惑っていたものの、次第に教室には企業分析などの白熱した討論が飛び交うようになっていた。
「初めは人前で話すのがすごく怖かった。でも、最後には英語のプレゼンテーションを原稿なしで20分もしていました! 日本に帰ってから、プレゼンテーションが本当に自分の特技になって、ゼミの発表が待ち遠しくなりました」。
目を輝かせて蒙嬋漫さん(2014年商卒)は語っていた。学生たちが授業を通して身につけたのは語学力だけではない。慣れない英語でも意見を述べることを繰り返すうちに、自然と身についた「「度胸」と「自信」は一生の財産である。

英語力よりも大切なもの!?

「英語の授業に馴染むきっかけは何でしたか?」
そう聞くと返ってくるのは授業以外のことがほとんど。放課後に行われるクラブ活動への参加や、寮での仲間と過ごす時間。現地にいるのは英語が達者な人だけではない。他の留学生の下手な英語でも伝えようとする姿を見て、正しい英語を使うこと以上に、自分の意思を伝えることに意味があると感じた学生が多かった。

ドーナツ店での会話から、外国人上司とのディベートへ

「最初は英語に自信がなくて、引きこもっていました。相手が日本人であっても英語で話せなかったほどです。そんな中、授業後に行ったドーナツ屋さん。そこの陽気な店員さんと話したら、英語なのに不思議とリフレッシュできました。思い返せばその時から、英語に対する抵抗がなくなったと思います。英語の正確さにこだわりすぎていた自分に気づきました。帰りのバスでは、ドライバーとも気軽に話せるようになっていて、周りからは驚かれました」。
そう語る宇野晋太郎さんは今、大学を卒業しハーバード大学卒業のアメリカ人上司と毎日ディベートをしているそうだ。

新しい自分に変わる分岐点

プログラム終盤、
成長を共にした仲間はかけがえのない宝物

カナダで過ごす1カ月は、毎日が発見と成長の機会であふれている。様々な国から来た人たちと接触できる機会が多いのも、このプログラムの大きな魅力だ。その日々を乗り越えた学生たちにとって、このプログラムは自分を変える人生の分岐点にもなりうる。「外国人と話せない」「人前で話すことが苦手」「自分の意見をうまく伝えられない」。それは帰国後180度違ったものになっていた。就職の最終面接が英語だったという参加者はそう語る。苦手を克服し「新たな自分と出会った!」と力説しているのは、次はあなたかもしれない。

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