商学部の現場

CASE15

日常の疑問を問い直そう

手塩にかけたサークルカレンダー

社会学を学ぶ藤田ゼミナールのゼミ生に投げかけて返ってきた答えに、社会学の魅力が垣間見えた。
社会学とは何だろう?「社会のあらゆる現象や、見過ごしてしまいがちな物事を新たな視点で見つめ直す学問です」。
一人ひとりが強い個性を持つこのゼミで、あるプロジェクトが始動した。

制作者と消費者の共創商品を生み出せ

藤田ゼミの4年生は「SNSのクチコミ効果を利用した商品開発」を試みた。商品開発者が広告としてSNSに情報を流し、消費者がそれを受容する。その一方通行の概念を、ゼミで学んだメディア・コミュニケーション理論を基に再検討。双方向のコミュニケーションを通して、消費者自身が商品を企画し、その情報が循環する仕組みをつくることを目指した。それが『I-Meiji Project』である。開発した商品は「明治大学サークルカレンダー」。開発の過程で「小さな商品でさえその裏側に、多くの人々の繋がりが欠かせないということを思い知らされました」とゼミ生は語った。

失敗は成長のもと

4年生の若林さんは「学生が自らの手で商品を開発した!と言うと聞こえは良いが、私たちにとってこのプロジェクトは苦労の連続でした」と話してくれた。「まずはビジネスとしての成果が出なかった。つまり売れなかった。失敗から学ぶことは多く、この経験は今後社会に出た後に役立つと思います。またこの商品は、協賛企業やデザイナーをはじめ多くの方々の協力を得ることによって完成しました。社会学は、人と人の関わり方に注目し、その関わり方を明らかにしようとする学問。この経験自体が、『人と人の繋がり』について深く考える機会となりました。このことが最大の収穫であり、喜びだと思っています」。

このプロジェクトは、彼らの成長のほんの一端にしか過ぎない。引き続き残された課題の答えを探しながら、これからも日々努力を重ね、まだ見えないゴールを目指していく。
取材を通してわかったのは、彼らは「想いをカタチにできる」ということ。このゼミには、私たちがI-Meiji(イメージ)する社会に向けて挑戦するチャンスがふんだんにあるのだ。

初めて見えた景色また

自分たちのアイデアをカタチにするべく奮闘中

藤田ゼミでは常に活発に議論することが求められる。ゼミ生の最大の強みは、社会学を通して仲間と共に日常の疑問について議論することだ。このプロジェクトも日常の疑問を仲間と共に問い直すことで始まり、ただぼんやり眺めている日常とは違う景色が見えるようになった。

Editor

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