フランス語検定の対策単語集“でる順”こと「データ本位　でる順　仏検単語集」（駿河台出版社）が、今年約１０年ぶりに大幅リニューアルされた（写真）。ポップな装丁、使いやすい構成で発刊後早々に重版されるほどの人気ぶりだ。

　この参考書は商学部の教養ゼミ（久松健一助教授）から誕生した。旧版の「でる順」をはじめ、数々の仏語参考書を手掛ける久松助教授のもとに今回の改定版の話が来たのがきっかけだ。

　「ただフランス語を学ぶだけではなく、せっかくならば形に残るもの、記念になるものを」と取り組むことになった。ゼミの１年間の目標として立てたのは、具体的には次の３つ。�@新発想の単語集を発行する、�A仏検３級以上に合格する、そして�B語学だけではなく「商学部なのだからマーケティングも学ぼう」というもの。

　出版社と綿密に打ち合わせ、書店で動向調査、読者へのアンケートなど積極的にフィールドワークを重ねた。結果として５級は単語のみ、４級以上には例文を入れるなど、学習者の立場から見た使い勝手にも細かな配慮が効いている。微に入り細をうがったこだわりようとリニューアルの斬新さに出版社側がとまどいを見せる場面もあったという。しかし豊富なデータによる裏づけと、学生らの熱意に「そこまでやるなら」と認めてくれた。

　「学生も本気、こっちも本気。何度もくじけそうになった」と久松助教授は感慨もひとしおの様子。その効果のほどは、当初の目標どおり、手掛けたゼミ生全員が仏検に合格したことでも折り紙つきだ。