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明治大学広報
第573号(2006年7月1日発行)
就任所感
「副学長の課題」
副学長 中邨 章
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 副学長制をめぐって、ここ数年、さまざまな論議がくり返されてきました。今回、それにようやく決着がつき、3名が副学長に指名されることに決まりました。そのうちのひとりは、大学院と研究担当という職務に専念することになっています。それに、わたくしが任命されることになりました。今回、その抱負をまとめるよう依頼を受けましたが、本来なら「重責に身の引きしまる思い」や「感激にたえず職務に精励したい」など、常套句を書き連ねるべきなのかもしれません。

 しかし、現状はそうした形容で対応できるほど甘くはありません。わたくしが担当します大学院も研究も、本学の現状は危機的状況にあるといって過言ではありません。大学院と研究がかかえる課題はあまりにも大きいというのがホンネです。わたくしはすでに大学院長を4年つとめております。わたくしがこのポストに就いた当初、大学内部における大学院や研究に対する認識はきわめて低いという印象をつよくもちました。多数のみなさんが、「これからは大学院の時代」と口では言われます。しかし、それらはほとんど外交辞令に過ぎなかったのです。

 その後、大学院に対する学内の認識は相当、改善されてきたように思います。問題は、研究です。残念ながら、この点ではまだまだ改善すべき課題が山ほど残っています。文部科学省は研究資金を出すことに大学間で競争を奨励する方法を導入しています。各大学は、それらを獲得するゲームに必死になっています。

 その点では本学も例外ではありません。ただ、この競争に勝つためには、これまで蓄積してきた研究の成果やインフラが不可欠です。それが、本学には乏しいというのが実情です。学内には、個人として立派な業績を挙げておられる先生はたくさんおられます。ところが、それらの実績が線になり、面に発展することが少ないのです。副学長としてやるべきことは、それをどう改善するかだと考えています。研究の明治とよばれる大学や大学院に一歩でも近づけること、それがわたくしに課せられた責務と信じます。みなさんのご支援をお願いいたします。

(政治経済学部教授)

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