近年、本当の自分がわからず、自己決定ができないなど「モラトリアム人間」とよばれる学生が増えています。このことにより、学生部では「Ｍ―Ｎａｖｉプログラム」を立ち上げ、自由参加型の交流の場を提供しています。

　テーマは「コラボレーション（協働）」です。そのねらいは、学生と教職員が協働しながら共感の言葉を紡ぎ、身体性の高い言葉を醸成するプロセスをもって、柔軟な社会性を身につけることにあります。つまり、本プログラムは「気づき」や「自己発見」を促す、コーチング手法にもとづいた「自立支援プログラム」なのです。

　具体的には、一人暮らし支援プログラム、六大学野球や箱根駅伝の応援、ミュージカル観劇ツアーやボイストレーニング、農業体験や里山ボランティアなどです。また、新入生には、上級生スタッフも交えた「新入生Ｍ―Ｎａｖｉ合宿」を用意し、さまざまな企画をとおして帰属意識を高めるなど、早期教育の実践にも力を注いでいます。さらに、同期会を開くなどのフォロー活動を促進しながら、成長を見守っているところです。

（山口政信・副学生部長＝法学部教授）