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明治大学広報
第580号(2007年2月1日発行)
論壇
着々と進む移転準備と付属校の教育改革
明治高等学校兼中学校長 吉田 善明
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 一、来春4月から移転先調布校舎で授業がはじまる。新校舎の建設も順調に進んでいる。年明けの1月中旬までに竣工する予定である。

 95年の歴史を重ねた駿河台地区からの移転である。本校の飛躍と発展のために取られた措置である。昨年開催された文化祭には、母校を脳裡に刻んでおきたいとする校友等も多数訪れ、開校以来の賑わいであった。移転準備は、新設学部の場合と異なり、ひと時たりとも手抜きのできない教育と並行して進めていかなければならないだけに、教職員の一致団結した献身的な努力がなければ成功するはずがない。また、法人サイドの協力も必要となる。

 二、調布校舎への移転を機に進める教育改革の中心は、少人数教育と男女共学の実施である。現校舎では、中・高校とも一教室50人規模の授業が行われており、それでも認可定員数を収容できないでいたが、調布校舎では一教室、中学では35人、高校では40人規模の余裕ある収容を予定している。そればかりではない。21世紀の中・高校教育を展望し、本校の重要な教育方針となっている「調べ学習」に応える図書館をはじめ大講堂、体育館、レストラン等の諸施設を準備するほか、1周250mのトラック、テニスコート(5面)をもつグラウンドが用意されている。

 少人数教育、男女共学が実施されれば、それに見合った教員の増員が必要となる。すでに本校では、2004年以来、中・長期計画を策定し、それに基づいた教育採用の準備を進めている。とくに、男女共学の実施を予定した女性教育の採用となれば、教員の年齢構成、教科を配慮しなければならない。さらにいえば、現在進めている男女共学に伴う教員研修も重要である。これらは着実に進んでいる。

 三、男女共学が実施されると、本校の校訓として培われてきた「質実剛健」の精神が変わるのではないかという質問を受ける。とくに受験業界から、本校の同窓生からである。私は、「質実剛健」の校訓は、本質において変わらないし、変える必要がないと思っている。「質実剛健」は男子校のみに用いられた校訓や教育方針のように考えられていたが、現代に即して解釈すれば、「質素にして、優しく逞しい気風」を持った人材の養成を意図し、それは男女に共通しうるものであると考えている。明治大学が昭和期のはじめに他大学の先陣を切って女子学生を受け入れ、職業女性の育成に努めてきた。この伝統ないし精神は、付属校が誇るべきものとして継承していきたい。

 四、そのほか、移転を機に、入学試験のあり様を見直し、本校の建学精神、教育方針に憧れ、全国津々浦々から集まってくる生徒の受け入れと学寮の建設、数年先に開設が予定されているスポーツ科学部(仮称)へのスポーツ推薦に応える入試選抜の方法も検討していきたい。

 明大明治が全国から注目される日もそう遠くはない。



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