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明治大学広報
第583号(2007年5月1日発行)
論壇
素敵な大人になろう!
―M−Naviプログラム展開中―
学生部長 柳澤 敏勝
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 現役明大生は院生も含め、優に3万人を超える。もう立派なひとつの街である。しかも、青年期の若者だけが集まった独特な街である。希望や挫折、野心や恋愛、いろいろな想いが濃密に渦巻いている。机の上の勉学だけを語っていれば済む世界ではない。それが大学の実像である。学生生活支援を任務とする学生部の課題はその分だけ多岐にわたり、責任も重い。

 経済産業省が提唱するからというわけではないが、「社会人基礎力」の育成が大学に求められていると考えている。教室での勉強がまず第一であるが、残念ながら、それだけでは社会のニーズに応えられない。サークル活動を通じたコミュニケーション能力の獲得にみられるように、学生生活における多様な経験は基本的な社会人力の習得に重要な役割を担うものであり、今日の大学教育が軽視してはならない領域である。

 このため、学生部はM-Naviプログラムと称する体験型課外学習の充実に取り組んでいる。ボイストレーニングやカラーコーディネイト講座が自己表現の訓練であれば、政治家やスポーツ選手など多彩な人々の話を聞くことも大切な学習の場となる。もちろん、歌舞伎や能、相撲などを鑑賞観戦し、歴史や伝統を知ることも大事である。ボランティア活動を通じて他者への思いやりを育んだり、氏子としてご町内の神輿を担ぐことだって貴重な体験である。

 学費を払ってもらっているのに、日本三大校歌のひとつに数えられる明大校歌を知らずに卒業する者、たった6校の学生しか参加できない東京六大学野球の応援にすら行くことなく卒業する者は親不孝者だ、と私は常々語っている。だから、神宮へ行こう、ということになり、毎シーズン、入場を無料にし応援するプログラムを組んでいる。学友と肩を組み校歌応援歌を歌う幸せを知ることになる。

 「正しいお酒の飲み方」講座も開催している。イッキ飲みの危険を知ってもらうことはもちろんであるが、人類への贈り物である酒を冒涜しないことを学んでほしいからである。盛況であったワイン講座が成長の一助になってくれれば、これほど嬉しいこともない。

 さまざまな実体験を積み重ね、ぬくもりが分かる皮膚感覚を磨き上げる、というのがプログラムの目的である。他者を思いやることのできる素敵な大人への仲間入りを少しでも手助けできれば、と考えてのことである。そのためにも、もっともっと多くのプログラムを用意したいし、全学的な取り組みにもしたいと考えている。しかし、現在の学生部だけでは力不足である。多様なプログラムを設計するには多彩な発想が必要である。さまざまなアイデアや助言を寄せていただければ幸いである。


(商学部教授)



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