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明治大学広報
第584号(2007年6月1日発行)
就任所感
図書館長に就任して 
図書館長 吉田 正彦
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 4月の第一週は入学式とそれに先立つさまざまな行事に追われて過ぎた。この職務が知能を要するというよりは、どうも肉体派向けだとの認識を強くした次第である。その中で新任の先生方へ、図書館案内の際にひとつお願いをした。授業を通じて機会ある毎に学生諸君に言って頂きたい、「これは図書館で調べてきなさい」と。

 「大学における〈知の拠点〉としての図書館の持つ意味は、ますます大きなものとなっている」とは、原道生前図書館長による2年前のご指摘であった。教育および研究面で他大学を凌駕するには「その大学に具わる知的創造力の質の高さが不可欠の条件として重視されなければならない」。その水準を保証する上で究極的な役割を果たすのが、大学図書館の充実と整備だとの主張である。今日の大学図書館の使命に関する適切な指摘である。否、わが明治大学図書館に最も当てはまる指摘であったのかもしれない。

 この間、幸いにも新和泉図書館の建設計画をはじめ、学術雑誌の高騰に対応するための電子ジャーナル化の促進、各学部大学院等で検討して頂いている機関リポジトリ制度の導入など、本学図書館の「充実と整備」は着実に新たな歩みを始めている。この歩みを一層確かなものにするには、予算面での配慮をはじめとする諸方面からの充分な理解と支援を、引き続き今後も願うしかない。なお、図書館は独自の政策と努力により外部資金の獲得に努めていることも付記しておく。

 大学を一個の肉体に例えるなら、〈知の拠点〉たる図書館はさしずめ頭脳であろう。だがそれを活発に働かせるのは「心臓」、つまり大学の構成員である教職員と学生である。頭脳の「充実と整備」に併せて「心臓」がより活発に鼓動し、図書館に強烈な刺激を与えることに期待する。特に院生や学部生がこの「鼓動」の源の一端を担い、知の恩恵に積極的に浴して頂きたいと考えている。

(文学部教授)



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