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明治大学広報
第585号(2007年7月1日発行)
《駿風》
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 麻疹(はしか)休講が解けて、キャンパスに学生の姿が戻った。履修届けが終わって、授業に課外活動にと、いよいよ熱が入る時期に、キャンパスが静まり返っているのは異様であった。やはり、常に若者の活気が漲っていてこそ大学なのである

 今の時代に、しかも大学生がと、訝しく思った人も多いに違いない。麻疹は子供の病気、或いは、恋は麻疹のようなものとの喩えがあるように、軽いはやり病との先入観があるからだ。

 江戸時代、疱瘡は見目定め麻疹は命の定め、と云われた。疱瘡は顔に醜いあばたを残し、麻疹は命に係るとして恐れられた。大人子供の区別はなく、川柳に「麻疹で知れる傾城の年」と詠まれた。27歳で罹った式亭三馬は、自らの体験を、『麻疹戯言』なる草紙に物して笑いのめした。

 世界的には根絶期にあるのに、わが国では、毎年数十万人の発症と百人近い死者を出している。英語表記のmeaslesは、ミゼラブルからきているという。麻疹は決して侮れない病なのである。予防は治療に勝る。国も大学も万全の対策を講じて欲しい。


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