今年4月に新たに開設される国際日本学部、大学院教養デザイン研究科および理工学研究科新領域創造専攻が昨年の11月と12月、それぞれ開設を記念するシンポジウムと講演会を開催しました。本号では、その内容について担当教員が報告します。 今春4月に開設される教養デザイン研究科の第一回記念講演会を12月7日に開催しました。本研究科は和泉キャンパスに設置される初めての大学院となりますが、会場の和泉校舎第一校舎415教室には、多数の受講者が集まり、立ち見が出るほどの盛会となりました。 講演会は、「朝鮮半島の過去・現在・未来−理解と誤解」と題し、読売新聞編集委員の宇惠一郎氏、在日作家として『にっぽん村のヨプチョン』等の著作がある朴重鎬(パク・チュンホ)氏にお願いしました。 朴氏からは、室蘭で生れた在日としての差別を受けてきた体験が語られ、日本と朝鮮半島との関係が緊張することによって、在日に対する差別意識が高まること、とりわけ、最近における拉致問題についての報道が、韓国・朝鮮人に対する一面的な見方を助長していることを指摘されました。また、拉致報道の中で北朝鮮帰国問題が見落されていることについても言及されました。 宇惠氏は、1995年から3年半にわたるソウル支局長、4度にわたる北朝鮮訪問の体験を踏まえ、この間における日本人の韓国イメージ、また韓国人の日本イメージの変遷について語られました。マスコミを通して作られるイメージがステレオタイプを生み出し、片寄った見方をつくる危険性を指摘されました。 新研究科は、「人間性とその適正な環境の探求」をテーマに掲げ、「倫理・哲学・宗教」「文化」「平和・環境」の3領域研究コースを設置しています。今回は「平和」「文化」の問題を主なテーマとしましたが、来年度の開設記念シンポジウムに向け、さらに大型企画を検討しています。 前のページに戻る