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明治大学広報
第593号(2008年3月1日発行)
論壇
世界的研究の創出と基盤研究の整備
研究企画推進本部長 井戸田 総一郎
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 研究・知財戦略機構は、文部科学省の競争的資金であるグローバルCOEプログラムに対応するために「先端数理科学インスティテュート」を立ち上げ、明治大学で初めてとなる本格的研究センターを構築しました。大学の研究資金を有効に活用しながら外部研究資金の獲得を大幅に増やすために、機構ではさらに「研究クラスター」の設立を急いでいます。  

 現在研究に強く求められているのは国際化、学際化、他大学および社会地域連携です。これらの課題に取り組むために、特定課題研究ユニット(現在56の研究所を展開)から複合的な研究クラスターを生み出し、国際的プロジェクトに対応できる研究体力の充実に取り組んでいます。  

 明治大学の大型研究は、文部科学省の「私立大学学術研究高度化推進事業」に対応する形で展開してきました。1996年の始まりから、「ハイテク・リサーチ・センター整備事業」4件、「学術フロンティア推進事業」11件、「社会連携研究推進事業(ベンチャー研究開発拠点整備事業を含む)」3件、「オープン・リサーチ・センター整備事業」4件の総計22件(継続採択を含む)のプロジェクトを展開し、現在14件のプロジェクトが日々活発な研究活動を展開しています。評価はこれまで、Aランク(優れた研究成果を上げている)あるいはBランク(研究成果は上がっている)であり、期待を裏切らない成果を積み重ねています。この14件のプロジェクトに対する2007年度の大学予算は2億9300万円であり、そのほぼ半額に相当する額は文部科学省から補助されています。各プロジェクトの代表者は、外部資金を多く獲得しており、大学の研究資金を有効に活用しながら外部資金導入を図る模範事例をここに見ることができます。  

 今後の課題は、これらのプロジェクトを精査の上でさらに発展させ、国際化や他大学連携の強力な推進を促す仕組みを早急に作り上げ、全学の力を結集して本学の個性的な世界的研究を生み出していくことです。  

 また、科学研究費補助金のうち、基盤研究(S)あるいは基盤研究(A)に採択されるような研究を政策的に作り出していかねばなりません。優れた研究チームの構築を促進するには、研究資金の投資的な活用が必要です。投資にはリスクを伴いますが、果敢な挑戦を抜きに明治大学の個性的な本格研究は生まれません。研究について政策的な判断を下せる組織と人材が今こそ求められています。  

 優れた研究は強い足腰から生まれます。教員の日常の基盤研究を支える仕組みについても今後さらに議論を深めていかねばなりません。課題山積ですが、トップスクールとしてのステイタスを維持・発展させるためには、研究大学としての凛とした力強い姿を作り上げていかねばなりません。         

(文学部教授)


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