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明治大学広報
第593号(2008年3月1日発行)
本棚
「尾佐竹猛研究」
明治大学史資料センター 編  (日本経済評論社、4500円)
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 本書は、明治法律学校OBで大審院判事の傍ら、明大教授として活躍した尾佐竹猛(おさたけ・たけき)の初めての総合研究である。  

 尾佐竹は、戦前における明治維新史や明治文化史、憲政史研究の第一人者で、官学アカデミズムとは異なる在野の明治文化研究会などの活動や、実証的な研究業績が今日でも高く評価されている。  

 既に大学史資料センターは、尾佐竹に関する多角的な資料調査の成果を「尾佐竹猛著作集」全24巻(ゆまに書房)にまとめている。本書はその研究編にあたるもので、明治大学の各分野の研究者がそれぞれの視点から尾佐竹にアプローチしている。  

 その特徴は、大正デモクラシーの影響下で学問形成を行ってきた尾佐竹を、明治大学に固有な学問的傾向、または知的伝統を表現する「駿台学」の最初の体現者と位置付けている点にある。  

 尾佐竹の学問的営みは、総合大学化の追及(大明治建設)から、学問のあり方を問う「学の明治」樹立に至る転換点に位置する。そのため、尾佐竹研究を通して、建学の理念を含めた「学の明治」のありようを問い直そうとの視点が随所に窺える意欲的な著作である。

牛米努・文学部講師


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