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明治大学広報
第594号(2008年4月1日発行)
論壇
和泉キャンパスの課題
和泉委員会委員長 山泉 進
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 桜花の候である。何とはなしに心もウキウキする。この1月に刊行した和泉委員会編集の『明治大学リベラル・アーツ・フォーラム』(第11号)では、若手の教員に「和泉キャンパスの夢」について語ってもらった。法学部の多田聡准教授には玉川上水を中心とする「水と緑のキャンパス」構想について、また商学部の瀧口美香専任講師には「表現するキャンパス」と題して新和泉図書館のデザインについての提案をいただいた。  

 和泉委員会が「和泉キャンパスの再生」を掲げて6年目になる。納谷廣美学長のもとに2005年秋、基本構想タスク・フォースをスタートさせ、和泉キャンパスのグランドデザインをまとめた。各学部での意見聴取をお願いしたのは、その1年後のことであった。この間の議論のなかで、和泉キャンパスを明治大学の「国際化戦略の拠点」として位置づけ、「グローバル・ヴィレッジ・キャンパス」構想を提示し、国際系新学部と教養系大学院の設置を提案することになった。こうして、この春4月、国際日本学部と教養デザイン研究科が誕生した。  

 しかし、これは和泉キャンパスにおける再生計画のはじまりにすぎない。まず教育改革について考えてみれば、対外的に評価される「教養教育」の顔をつくらなければならない。専門教育が大学院へとシフトされていくなかで、学部教育の中心は専門性を含む「教養教育」にあることは明らかになりつつある。明治大学として外部から評価される「教養教育」のプログラムは何か。私は、その教育プログラムを作成し、実施する中心組織として教養系の新学部の設置が必要であると考えている。同時に「キャンパス再編」の議論も必要である。  

 研究の領域でみれば、大学院を中心にした研究体制の整備という課題がある。4年後には、国際日本学部の大学院が設置されることになろう。私は、開設された教養デザイン研究科と、国際日本学部の大学院を統合し、「日本学」「人文学」「平和・環境学」を柱とする新大学院の設置を構想している。そして、この大学院を中心にして新研究機関を設立したいと考えている。12月、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校に行く機会があった。マンガを含む「日本学」が確実に定着していることに驚かされた。ジャパニーズ・スタディーズは、世界に発信できる研究領域である。新研究機関は世界の研究拠点となりうると実感した。  

 これらの教育研究を支える施設の充実も必要である。新図書館の建設はやっと緒に就くことになった。「キャンパス力」は、目に見えない教育カリキュラムである。 4月、和泉キャンパスにとっては画期的な一歩が踏み出された。

(法学部教授)


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