明治大学
English Korea Chinese Chinese 交通アクセス お問い合わせ サイトマップ
明治大学TOP > 明治大学広報 > 第594号(2008年4月1日発行)
明治大学広報
第594号(2008年4月1日発行)
本棚
「三井物産人事政策史1876〜1931年
−情報交通教育インフラと職員組織

若林 幸男 著  (ミネルヴァ書房、5000円)

明治大学広報TOPへ
 グローバリゼーションと情報通信革命の進展によって、雇用形態が大きく変容しつつあることは、今日誰もが認める事実である。もっとも、外的環境の変化に伴う雇用形態の大規模な変容を、日本はこれまでに何度も経験してきていた。本書は、三井文庫などの豊富な一次資料を踏まえて、この点に関して実に興味深い議論を展開する。「丁稚の使い走り」「通勤心得方規則」「社内人材養成システム」など、近代日本のホワイトカラーの雇用実態に関する本書の説明は、門外漢の読者にとっても大変新鮮なものであるに違いない。  

 具体的には、創業期から1930年頃までの三井物産の雇用形態に注目して、その歴史的特徴を「19世紀型」と「20世紀型」に区分し、前者から後者への移行の過程をたどる。市内・社内電話網や交通・通勤システムの整備に伴う丁稚奉公制度の終焉、新卒定期入社や人事システムの起源、そしてサラリーマン誕生の歴史、これらをめぐる議論は「21世紀型」雇用形態を考える上でも示唆に富んでいる。

横井勝彦・商学部教授
(著者は商学部教授)


前のページに戻る




ページ先頭へ

© Meiji University,All rights reserved.