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明治大学広報
第595号(2008年5月1日発行)
論壇
経営戦略の構築が財務基盤を強固にし、
大学を繁栄させる

財務担当常勤理事 橋口 體
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 「21世紀は、精神性の時代である。物よりも、心の充足を求める時代である」と予測した先人がいました。この10年を振り返ると、政治の権力闘争、マネーゲームの経済、そして模倣の文化、心の豊かさなど程遠い状況です。

 このような情勢下、大学を取り巻く環境は、大きく激変しています。株式会社立大学の誕生、少子化による18歳人口の減少、これに伴う全入学時代の到来と定員割れが、国庫補助金のカットにつながり経営破綻となる。加えて、大学のグローバル化と評価の推進等々が、大学間生き残り競争を激烈にしています。

 この競争に勝ち残るには、改革が必要です。ダーウィンは、その著『進化論』で、「地球上で生き残れる生物は、大きいもの、強いもの、そして賢いものでもなく、環境の変化に適応したものだ」と述べています。大学の環境は、激変し続けています。これに対応した改革をしなければ、生き残れないということです。

 本学は、変化を敏感にとらえ改革に着手しております。新校舎の建設、学部の新設、全学部統一入試の導入、教育研究施設の充実、そして事務機構および制度改革等々です。この改革の成否は、大学関係者の理解と財務状況に懸かっていると思います。この中で財務状況に着目した時、掲げた改革案を完遂するには、心もとないものを感じます。財務基盤の安定こそが、大学発展の源と理解します。

 この実現化の私見を述べますと、 (1)長期ビジョン策定委員会を設け、これにのっとった計画を幅広く構想する (2)現実的な課題では、既に決定されている計画でも中止を含め優先順位が高く、かつ収入増の期待できる条件を念頭に計画を見直し実行する (3)保有資産で、固定資産税、管理費の支出を伴う遊休資産の活用を検討する (4)金融資産の運用については、時代にふさわしい運用規定に改廃することも視野に効率的な運用をする (5)定員に対する入学率の検討を行い、学生納付金と国庫補助金のバランスを図る (6)校友会、父母会の理解と協力を得、教育振興協力金を募る。加えて、 (7)一般寄付金・社会連携による協賛金取得も積極的に行う、等です。

 喫緊の課題としては、年金会計と年金財政の健全化です。このまま進行しますと年金制度そのものが破たんする状況に入っています。

 いずれにしましても、中長期の経営戦略と財務戦略が、大学の基盤を強固にするものと確信します。再度述べます。変化に対応(改革)したもののみが、生き残れる現状です。


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