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明治大学広報
第600号(2008年10月1日発行)
論壇
「二人目の職員理事として」
教育研究施設計画・推進担当常勤理事 市川 好和
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 今回、二人目の職員常勤理事として就任して思い出すのは、私が学生時代に級友と背伸びした議論を行った、和泉校舎の学生会館や芝生などの学生としての空間であった。しかし、駿河台校舎においては、その場は錦華公園、喫茶店であった。それは、学生の空間としては違和感があった。

 当時の大学は、学生運動が華々しく、キャンパスの場を獲得できるのは、学生自治会、運動部、文化サークルに所属する者であった。いわゆる一般学生(いやな表現だが)といわれる学生たちの居場所は、教室や喫茶店等しかなかったのである。

 大学の場は知識を教授し増やすだけが目的ではない。友情や良き人間関係の構築に伴う人格形成も大切な目的である。施設担当理事として、今まで本学のキャンパスに欠けていた学生空間の確保、学生が一秒でも長くいたいと思える、学生のためのキャンパス作りをしたい。それも施設の統一性、計画性をもって、情報公開をしつつ進めたい。

 また、私立大学を取り巻く状況は、少子化等により、大きな危機的状況を迎えている。継続的改革による変化なしには、大学の存続を維持できなくなってきている。本学も納谷廣美学長の下の大学改革により大きな変化が進んでいる。この変化を支える専門的知識とマネージメント能力を持つ職員の育成、そして大学として一体化した組織的な取り組みが急務である。

 職員の役割は大きく変わってきている。単なる事務職員ではなく、行政管理の専門的、政策的な役割が求められてきている。大学として必要とする職員像を明確にし、時代に応じた人材を計画的に育成する必要がある。

 教学と法人(経営)の対立構造は、私立大学における歴史的事実である。また、現在でも二極対立構造の意識から脱却できず、二者を対立するものとして理解しようとする教職員・校友がいる。しかし、現代のような継続的改革を必要とする時代においては、大学内部の対立は改革を停滞させ、大学の志願者数や評価に影響を与え、その存立自体を危機に陥れる。

 職員にとって大学はひとつである。職員の業務は一体化した組織的な取り組みにより行うものであり、教学と法人を常に統合しなければ遂行できない本質的特徴がある。法人と教学が対立した環境では、大学発展のための業務が遂行しえない。

 そのような状況を回避するには、大学構成員間の情報共有を進め、相互の信頼と協力し合える状況を作り出し、組織の構成員の心をひとつにすることが重要である。そのためには、職員理事として教学の政策を検証しつつ支え、大学の自治が集約されている教学と法人の融合をはかる役割を果たし、教職員・校友・父母の一体化した大学運営を実現したい。そのことが、継続的大学改革を推進し、本学の発展を持続可能なものにすることができるのである。



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