「もっと部員に真剣に取り組ませたい」という思いで、田渕は第８３代主将に就任した。しかし、現実はそう甘くなかった。会議でも活動中でも部員をまとめられない。しかし、「自分がうまく統率できるか」から、「いかに部をよくできるか」と考え方を変えたとき、目の前がパッと開けた。「得意なやつが得意なことをやる。自分が全部できなくても、部がうまくいけば、俺がどんなに不器用で下手でもいい」と思えるようになった。

　そして今、田渕には一つやりたいことがある。それは、「部を大きくする」ことだ。「ローバースカウトって、名前を聞くだけじゃ実際何をやっているのか分からない。だから、内輪で活動しているだけじゃダメだ」という思いは強い。体育会本部委員も務めるなど部をＰＲすることにも努力を惜しまない。

　引退まで３カ月。「これからも１分１秒でも頭から部活のことを離さないようにしていきたい。そして、部の活動を発信して部を大きくしていきたい」との言葉に偽りはない。「改進」というその文字のごとく、引退するその日まで、田渕は全力で走り続ける。

　（たぶち・たつや　経営３、白陵高出、１７４センチ・５５キロ）



明治大学体育会ローバースカウト部

明大スポーツWEB

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