明治大学大学院教養デザイン研究科は11月22日、開設記念シンポジウムを駿河台校舎アカデミーコモンで開催した。 今回のシンポジウムのテーマは「文化が社会をゆたかにする?」。文化を社会のお飾りとしてではなく、人間の営みの本質にかかわるものと捉え、文化的創造が社会を豊かにすることを再確認しようと企画された。 第一部は、昨年の10月1日から東京ディズニー・リゾートで始まった「シルク・ドゥ・ソレイユ」の常設公演『ZED』のアーティスティック・ディレクターを務めるアン=マリー・コルベイユ氏が「シルク・ドゥ・ソレイユの世界」と題し、講演。 1984年にカナダ・ケベック州で生まれた太陽のサーカスという意味を持つ「シルク」が、現在40カ国以上の国籍を持つ4千人以上のスタッフを有し、世界的に高く評価されるまでに至った過程を紹介した。 第二部では、ケベック州立行政学院ENAPのイザベル・フォルティエ教授、大阪市立大学大学院創造都市研究科の佐々木雅幸教授、文化事業プロデューサーで教養デザイン研究科兼任講師の早川与志子氏を招いてパネルディスカッションを展開。 カナダおよびケベック州の文化政策、バルセロナに代表される文化創造都市、外国文化の輸入大国としての日本について、3氏よりそれぞれ発表があった。最後はコルベイユ氏も加わり、会場を交えて活発な意見交換が行われた。 昨年4月に開設した教養デザイン研究科は「人間性とその適正な環境の探求」を教育研究の統一的なテーマとして掲げ、「倫理・哲学・宗教」「文化」「平和・環境」の3つの領域研究コースを設置し、文理融合の総合大学院を目指している。 教養デザイン研究科 前のページに戻る