明治大学は２００９年１２月、法人・教学との総合的な広報戦略を構築するため広報戦略本部規程を制定しました。

　本学における広報活動は、「権利自由」「独立自治」の理念に基づき、社会に対し説明責任を果たし、社会の要請に対して、支持され期待される大学であるための到達点を形成すること、さらにこれらの取り組みを通して大学関係者のみならず、校友・父母を含め明治大学のアイデンティティを形成することを目的に、学生・教職員・父母・校友そして社会に対する大学広報および受験生向けの各種媒体を通した入試広報に重点をおいて広報活動を展開してきました。

　しかし、大学間競争は厳しく、ブランド力の向上に必死に努力していることは当然ですが、同様に広報活動の展開と情報発信力の強化が必要であることは云うまでもありません。そのための広報戦略本部設置ですが、遅きに失したと思っています。組織自体がやっと統合化されたわけです。

　この運営について早急に基本方針、活動方針を作成します。去の悪い事例は速やかに改め、統合化・合理化・効率化を追求し、効果ある広報戦略を作り上げていきたいと決意しています。そのために、優秀なスタッフが不可欠で専門性を一層高めなければなりません。人材の採用補充は少しずつしてきましたが、未だ不充分です。

　優秀なスタッフの実力を生かせる組織と運営が重要であることは云うまでもありません。才能は大切にしたいと思います。戦略本部は基本方針として、私案段階ですが、（１）高い次元の広報の展開、（２）世界を視野に入れた広報展開、（３）学内の情報・要望・提言を汲み上げ、迅速な対応と本学の高度な教育・研究および人的資源の発信、（４）人的ネットワークの構築を強化しその推進によって構成員のアイデンティティを高めること、これらを広報戦略の基本方針として推進してまいります。

　具体的な広報活動は広報センターが行います。今後、大学広報と入試広報を有機的に一体化させ、明確な方針のもとに統一した業務を行うことで効率化・高質化を進め、広報力の強化を図ってまいります。

　本年度、本学は志願者数トップになりました。戦略的広報の視点から見れば最大の利点ですが、反面で一部人気投票的な結果は喜びに浸るようなものではありません。この機会だからこそ長期的に出来ること、思いきって整理しなければならないことに取り組むことが重要です。戦略的広報とは、大学そのものを変えることすらあっていいと云えます。全学あげて、広報改革と進展に理解と参加をいただき、広報戦略本部発足が、オール明治の発展に寄与することを念願しています。



前のページに戻る