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明治大学広報
第622号(2010年8月1日発行)
本棚
「いじめの直し方」
内藤 朝雄 ほか著(朝日新聞出版、1000円)
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 本書は昨年この欄でも取り上げた内藤氏の著書『いじめの構造─なぜ人が怪物になるのか』(講談社現代新書)を、平易かつ簡潔な文章でまとめなおし、その理論を余すところなく紹介したものだ。つまり、著者らの「いじめ学」の普及版ともいうべき一冊である。直截なことばで語りかける本書のメッセージは、その一つひとつが読者の心にずしりと響く。たとえば前半で述べられる学校でのいじめの実態には、寒気を覚えるとともに怒りすら感じる。しかし、後半で展開される「いじめの直し方」に読者は一気に救われた気分になる。それのみならず、いじめという問題に直面する勇気がわいてくるのである。それゆえこの本は、いじめの被害にあいながらも誰にも相談できずにいる当事者はもちろんのこと、いじめを直したいと強く望む現場の教師にもぜひ読んでもらいたい。なお、本書の文章の大部分は、共著者である荻上チキ氏の手によるものと聞く。内藤理論をかくもわかりやすく、しかも迫力を持ってまとめあげた氏の文章力に敬意を表したい。

 高瀬由嗣・文学部准教授(著者は文学部准教授)



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