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明治大学広報
第628号(2011年2月1日発行)
本棚
「ことわざに聞く─その魅力と威力」
日本ことわざ文化学会 編
(森洋子、穴田義孝、山口政信 ほか著)
(人間の科学新社、1600円)
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 ことわざの意味を解説する書物はこれまでにも多く見かけられたが、本書はその存在意義を再評価しようという試みとして興味深い一冊である。ことわざは人々の思想、価値観、それに基づく行動等を映す鏡であり、それは時代とともに変容し、また、新たに生まれつつある「有機体」であることに気づく。江戸期における評論としてのことわざ、近代以降の教育の場における活用の諸相、また、将来の教育現場における有為性など、印象的な文章が綴られている。

 さて本書の執筆陣には、森洋子名誉教授、穴田義孝政治経済学部教授、山口政信法学部教授(明治大学ことわざ学研究所研究代表者)が名を連ねるが、執筆を分担する「日本ことわざ文化学会」の会員には社会心理学、歴史学、文学、仏教学、さらに教育学の分野においては国語のみならず音楽、体育など実に様々な専門家が集う。このような多角的なアクセスを可能とするのが「ことわざ」の懐の深さであり、学術研究の手段として大きな可能性を秘めていることに改めて気付かされる。

外山徹・博物館事務室(著者は順に明治大学名誉教授、政治経済学部教授、法学部教授)



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