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明治大学広報
第628号(2011年2月1日発行)
論壇
社会という「世界へ」
社会連携機構長 福宮 賢一
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 力強い握手をいただく。43人のそれぞれの方々から、輝くまなざしとともに。お一人おひとりと目を交わしながら、一気に胸が熱くなる。これは、明治大学・成田社会人大学の修了式で称号証をお渡しするときのことである。

 その力強さは、繰り返し同大学の講座を意欲的に受講し、所定の条件を満たした達成感、そして、その過程で経験した学びの喜び、心弾む思い、それらを凝縮した熱いお気持ちそのものと言える。233人の受講生の多くが、大学進学率が現在のような水準にない時代を過ごした方々であることに思い至れば、心中の高まりの大きさを推察して、なお一層、深い感動を覚える。千葉県成田市との連携による成田社会人大学は、このような絆の深まりとともに、今年15周年を迎える。

 その翌々週、本学創立者宮城浩蔵の出身地である山形県天童市との連携協力協定締結式を迎えた。締結式は山本信治天童市長および学長臨席の下、同市の産官学関係者120人を集めて盛大に挙行され、調印の後、市長・学長の堅い握手が交わされた。また、式中で披露された宮城浩蔵賞受賞の4人の中学生によるスピーチは、いずれも感動的で、「高い理想を掲げて、小さな一歩を踏み出す」という決意の表明に会場は温かい大きな拍手の渦に包まれた。

 社会連携機構の業務の日常は、この2つの矢継ぎ早の展開に象徴されると言ってよい。筆者の実感として、本学の標語「世界へ」は、国際的な世界のみならず、「社会という『世界へ』」出向き、触れ合い、学び、発信することでもあると思う。地域の方々が本学に寄せる期待と本学の使命はともに大きく、数々の熱い感動の場面が我々を待っている。

 従来、リバティアカデミーは単体で生涯教育と地域連携を担ってきた。その活動の範囲と規模を見てみよう。満10年におよぶ事業展開を経て、教養・文化、資格・実務・語学の各講座、ビジネスプログラム、再就職支援のための委託訓練、文部科学省司書講習(含むメディア授業)、教員免許更新講習、および企業委託研修等を実施するに至るとともに、開講講座数380講座、個人会員1万5307名、法人会員51社、受講生2万2640名(2009年度確定数)に達した。これらに加えて、創立者3人の生誕地を含め、全国の14地方自治体・1大学および都内6団体と連携・協定を結び、講座の継続的開講と地域連携活動にも積極的に取組んできた。

 これらの実態を踏まえれば、昨年10月、リバティアカデミーを発展的に改組し、社会連携機構を創設した必然性が容易に理解できるに違いない。そこでは生涯教育と地域連携の機能分離を図るとともに、それぞれ前者をリバティアカデミー、後者を地域連携推進センター(新設)が担当することとした。そして社会連携機構は両者を統括・調整する機関として設置され、同機構長は学長指名の副学長となった。

 新機構創設の下には、これまで講師の先生方に加えて、事務スタッフの献身的な奮闘があったことを忘れてはならない。この礎の上に、社会連携におけるトップ・ユニバーシティの地歩を固めるべく、絆づくりの新たな道を開拓していく決意である。

(副学長(社会連携担当)、商学部教授)



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