Go Forward

現役院生から

博士前期課程 日本文学専攻 2年

近代文学に魅せられて

 学部三年生のゼミで高校時代にも授業で読んだはずの志賀直哉「城の崎にて」を改めて読み直したとき,自分でも信じがたいほどこの作品に惹かれました。作品は私たちの既に持っている何かを壊します。率直に言ってそのような体験が私の進学を志したきっかけです。
 現在は中島敦の私小説と言われる作品を対象に研究を続けています。中島の作品は「山月記」や「李陵」といった代表作からもわかるように原典によるものがその多くを占めていますが,『わが西遊記』以前にはいわゆる私小説と呼ばれる作品をいくつか残しています。言い換えれば,それ以降は私小説の形式で作品を描くことをやめたということです。中島に特有の描き方へと彼を向かわせた難問を考えることが私の研究テーマと言えます。
 進学の決断は人生の大きな分岐点となることかもしれません。その一方の道について私から示せることは,大学院という恵まれた環境が私たちの主体的な営みを後押ししてくれているということです。近代文学の一端を共に深めていきましょう。

博士前期課程 英文学専攻 2年

終りなき研究に挑む


 私は,英国初期近代演劇における道化について研究しています。道化の作中における機能やその成立の歴史的経緯と発展過程について,中世の道徳劇からシェイクスピアの時代まで研究しています。教職希望なので,修了時に与えられる教職課程の専修免許は励みになります。私は,学部生時代から英文学に興味をもち,シェイクスピアについて研究してきていますが,もっと深く研究したいと思い,大学院に進学しました。学会発表の場も設けられているのでそこに向かって研究を進めていくことができます。

 文学作品についての問いに対して正解はありませんが,それを追い続けていくのが文学研究だと思っています。シェイクスピアなどの文学作品を分析していく過程は,自分を新たに発見する足掛かりにもなります。大学院での生活は忙しく,どのように過ごすかによって得られるものが大きく変わってくると思います。英文学専攻では研究に集中できる場所が整っており,教授方も多くの気づきを与えてくださいます。このような素敵な場で皆さんと一緒に研究を進めていくことができるように願っています。

博士前期課程 仏文学専攻 2年

思考の旅へ

 文学は,今日,何ができるのか。大学院に入って最初にぶち当たった壁が,この問いでした。世界のグローバル化,デジタル領域の拡大,テクノロジーの進化など,今日,時代の流れと文学は,明らかに逆行しているようにも考えられます。大学院進学だけに留まらず,これから就職をする人や研究職を目指す人など,なぜいま文学なのか,ということを考えながら挑戦してもらいたいです。
 大学院生活は,正解のない問いを探し続ける途方もない旅をしなければなりません。ですが,興味があること,疑問に思うことに,とことん向き合う生活は苦しくもあり,膨大な血の海を一人で泳げるようになったときには楽しくもあります。一口に仏文学専攻といっても,文学,文法論,言語学,哲学,演劇,詩,ルネサンスについてなど,多様な分野の先生方がいらっしゃいます。また自分とは異なる専門分野の先輩たちの話を聞くことで新しい知識や意見を得ることもできます。明治大学大学院は,研究を満足にするための環境や設備が整い,自己を見つめ社会を映す目を養える最適の場所です。自分の興味をとことん追求し,「文学の可能性」を探しにいきませんか。

博士前期課程 独文学専攻 2年 

一字一句にこめられた作家の思いを追求する。

 

私が大学院進学を決意したのは,学部4年生の卒業論文を執筆している時でした。3年次にはドイツ留学をし,ドイツに関する知識やドイツ語には自信があったため,それを生かしてドイツの作家トーマス・マンについてさらに研究したいと思いました。
 大学院の生活で学んだことは,ドイツ語を一字一句丁寧に読んでいく大切さです。母語ではない言葉の文章を精読するということは,時間がかかり忍耐力を必要とすることですが,「なぜ作者はこの言葉を選んだのだろう」「作者は何を伝えたいのだろう」と考えながら一冊の本を読み切ることによって,邦訳書を読むだけでは出会えなかった新しい発見に出会うことができ,達成感を味わうことができます。
 独文学専攻は人数が少ない分院生同士仲が良く,切磋琢磨しながらお互いの研究を進めています。また先生方も親身になってアドバイスをくださり,研究を支えてくださいます。ドイツ語で文学や言語を研究するための素晴らしい環境が整っています。独文学専攻で皆さんとお会いできる日を心より楽しみにしています。

博士後期課程 演劇学専攻 2年
 学生から研究者へ

 私はイギリスのエクセター大学で演劇学の,首都大学東京で表象文化論の修士課程を修了した後,明治大学の演劇学専攻博士後期課程に進学しました。現在はシェイクスピア作品の明治期日本における受容について研究しています。演劇を専門に研究できる環境であり,また,私が研究対象としているシェイクスピアや明治時代の演劇を専門に研究されている先生方のもとで学びたいという動機から本学に進学を決めました。
 大学院では演劇について様々な角度から学びながら,自らの研究も進めていきます。授業も研究もより専門的になり,主体的な姿勢で向きあうことが求められます。ただ何よりもまず研究の基本にあるのは,演劇が好きだという気持ちだと思います。
 また,様々なジャンルの演劇に興味を持った大学院生が集まっているため,議論の中で思いもよらない発見があるのも魅力のひとつです。研究活動というのは一見孤独になものに見えますが,お互いの研究について議論を交わすことで深みがでるものです。
 皆さんと一緒に演劇を探求する日を楽しみに待っています。

 

修士課程 文芸メディア専攻 2019年3月修了 

 文学とは,そして自分とは何か。

この問いと対峙すべく,私が大学院進学を志したのは学部3年の後期のことでした。学部より深い視点でテクストの可能性を探ってみたくなったのです。
 文芸メディア専攻は「文字(=テクスト)」という「メディア」を中心にして広がる「かつてそこにあった,いたモノ,コト」の「痕跡」を研究していきます。具体的には各時代の文学を中心に芸術学,批評,表現,創作,果てにはメディア論や出版論まで,そこに「文字」がある限り研究の対象としています。
 授業は少人数で展開され発表や討論を中心に行われます。共通のテクストに異なる専門の個人が各各対峙することにより,自分とは異なるテクストの「読み」が常に提示され,広い視野で互いに学びあうことができます。
 文学作品は相克する性質を内在している点で我々人間と似ております。その作品に立ち向かうことで,自ずからと作品の超克を目指すこと,文字テクストの可能性を押し広げること,それこそが文学研究の醍醐味だと私は考えます。
 テクストを通し,その背後にある「文学」ひいては「自分」という存在に立ち向かいませんか。
 

博士前期課程 史学専攻 日本史学専修 2年

 研究者としての自覚を持って日々精進を

大学院では受動的な姿勢を捨て,能動的に動き自分で必要な論文や史料を探す姿勢が求められます。先生や先輩方は厳しきも愛のある指導で私たちが研究者として成長するのを支えてくださいます。ぜひ大学院でより質の高い研究をして「真の学問」を究めてみませんか。

博士前期課程 史学専攻 アジア史専修 2年

   研究を効率よく進めるためには

 格段に増えた自由な時間を如何に活用することが,大学院生活のカギです。面白く感じる分野を研究し,その分野からさらに面白さを引き出すことができれば,自ずから時間効率が良くなるでしょう。その姿勢を支える施設,教員,学友といった環境が,ここに備わっていると信じます。

 

博士前期課程 史学専攻 西洋史学専修 2019年3月修了

好きなことを好きなだけ探求する


  論理的思考力や発想力は,生きていく上で重要な能力であり,どのような進路を選ぶにせよ役立つものです。大学院という場所は,それを養うためにうってつけの環境を提供してくれます。また,好きなことを追求するのは楽しいものです。ぜひ大学院で好きな学問を存分に追求してみてください。  

博士前期課程 史学専攻 考古学専修 2年

文理の枠をこえて


  私は縄文時代の漆利用について研究しています。漆の研究では自然科学分野との連携が欠かせません。大学院では考古学的な知見も高めながら,理系の研究者との意見交換も行い,文理の枠を超えた研究を行っています。このような研究環境あることが明治大学への進学を決めた理由の一つです。

博士前期課程 地理学専攻 2年

問い直しの日々が生む知的な発見

 調べることの楽しさ,フィールドワークすることの楽しさを知ったのは,学部生時代に地理学を学んだ経験からでした。そうした経験をさらに続けたいと考えたことが,大学院進学を決意するきっかけとなりました。
 地理学はその名の通り「地の理学」であり,地球上にある様々な物事をテーマとする学問です。そのため先生方や院生の研究テーマも多岐に渡るものとなっています。その中でも私は,福島県の檜枝岐歌舞伎を例として,現代社会における地域伝統芸能の変容について研究を続けています。
 研究に打ち込む生活は順調なことばかりではありません。むしろ,行き詰まりを覚えたり,自分の不勉強さを痛感したりすることの方が多いぐらいです。そんな時,先生方やほかの院生との距離が近い地理学教室には,気軽に意見交換のできる環境があります。いただいたアドバイスが新たな知見を生むきっかけとなり,研究を進めるうえでの大切な支えとなっています。
 目の前の場所をどう捉えるのか。地理学教室で,こうした問いへ立ち返ってみませんか。
 

博士前期課程 臨床人間学専攻 臨床心理学専修 2年 

体験するということ

 私が大学院に入って実感したことは,体験することがいかに大切かということです。
 例えば,人の話を聴くことの難しさを分かっているようでも体験してみるとより多くのことが身に染みて分かります。それと同時に人に話す,聴いてもらうことがどんなことなのかということも体験することになります。こうした体験が専門的な学びの第一歩であるように感じます。
 大学院では授業,修士論文をはじめ学内外での実習など様々なことに取り組むことができます。研究と臨床の両立は難しいことばかりですが,指導教員だけでなく研究室の垣根を越えてすべての先生方がそれぞれのご専門の視点からいつでも親身になってご指導くださいます。
 明治大学は研究と臨床の両方を支えてくれる場所です。研究での気づきが,臨床現場で活用できることもあればその逆もあります。そうした重要な気づきは共に学ぶ中にあると思います。先生方からのご指導をはじめ,先輩方や友人とともに学ぶ中で自分が持っていなかった視点を得るたびに充実した大学院生活を送ることができていると実感します。皆さんもぜひ一緒に明治大学で学びましょう。

博士後期課程 臨床人間学専攻 臨床社会学専修 3年

日々の刺激の中で視野を広げ,研究を深めていく。
 

 私は,臨床社会学専修で博物館学を専門に研究しています。特に,日本の考古遺跡の保存と活用及び付設されている遺跡博物館運営について,史跡整備と文化財マネジメントのあり方を探求することを目的とします。社会学や教育学を学ぶだけではなく,「臨床的な研究」を重視することは本専修の大きな特徴だと思います。
 大学院生の生活では,様々な文献を読みながら,現地調査の研究も併せて行います。そして,国内外の学会や研究会で研究者たちと議論を重ねること,また学術論文や学会発表に成果を出すこと等,「自分磨き」に参加する事で,研究と人生を豊かにするヒントをたくさん吸収できます。
 専攻は人数が少ないのですが,その分,先生方や先輩後輩方とのより深い交流と強い結びつきを得ることができます。ここが本専攻の魅力なのではないかと思います。

明治大学大学院