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学生記者が行く!Mスタインタビュー2015(株式会社スノーピーク 代表取締役社長 山井太さん)

——今、地域活性化について勉強しているのですが、三条市の地域活性化に製造業を生かされているのですね。
もちろん、スノーピークのビジネスをきちんとすれば、地域の活性化につながります。

それに合わせて、若いころに、会社の仕事だけでなく、青年会議所のような町づくり団体や商工会議所などの活動を通して地域の活性化にかかわっていました。

2年前までは、三条市の商工会議所の副会長をやっていましたし、現在は製造業約520社がはいる協同組合三条工業会の会長をやって、地域活性化について日々議論を重ねております。
——スノーピークの強みを教えてください。

昨年2万張売れたテント。初心者でも30分で組立可能

他社をまねた製品はなく、すべてが自社開発のオリジナルです。

また、すべての製品に永久保証がついてきます。「自らもユーザーであるという立場で考え、お互いが感動できるモノやサービスを提供する」という企業理念も、自分たちの中にあった気持ちがアウトプットされています。

——「安くていいモノを」ということを徹底している会社もありますが、どう思いますか?

「胸ポケットに入るストーブをつくろう」を合言葉に誕生した世界初のマイクロストーブ

安くていいモノをサプライしている会社はたくさんあると思いますが、その中に自分の会社は入らなくていいと思っています。

スノーピークという会社がなかったら、世の中に生まれないようなモノ・他にないモノだけを作ろうと思っています。
——「Snow Peak Way」というキャンプイベントについて教えてください。
「Snow Peak Way」は1998年からスタートしたユーザーさまとスノーピークとの交流キャンプイベントです。

スノーピークのスタッフとユーザーさまが一緒にキャンプを楽しみ、本音で語り合うイベントで、製品などに対するご意見を直接聞くことができる貴重な場になっています。

——はじめたきっかけを教えてください。



1988年にオートキャンプのビジネスを始めて、その後空前のオートキャンプブームになったんです。
80年代中盤までキャンプ人口は1万人台、割と貧しいものだった。

アウトドアって80年代中盤まではほぼ登山を意味していて、登山以外はあまり根付いていなかったんですよ。
1980年代、四駆の新車登録台数が増えて、潜在的にキャンプをしたいと思っている人がいるということがわかった。
そして、おしゃれなタープやシステムデザインされたキッチンがサプライされ、「こんなにおしゃれなら」と空前のブームとなり、ピーク時のキャンプ人口が1580万人となった。

そこからブームが衰退していき、700万人くらいまで減ってしまった。
原因は、人口が減少したこともありますが、オートキャンプはファミリーキャンプなので、お子さんが中学校にあがるとどうしてもキャンプに行かなくなる。
団塊世代の親御さんと団塊ジュニアのお子さんというベビーブーマー親子が巨大な市場をつくっており、人口支配が大きいところがキャンプに行かなくなったのでマーケットが縮小してしまい、当時盛んに行われていたキャンプイベントも同時になくなってしまった。

スノーピークはブームを作ったブランドなので何かできないか、ユーザーの皆さんの顔を見て、ご意見を真摯に受け止めようとキャンプイベントをはじめました。
1998年の第1回目の「Snow Peak Way」では、ユーザーさまから重要なフィードバックをたくさん受け、その課題を改善できたことが今のスノーピークを形作っているのです。