学生記者が行く!Mスタインタビュー2015(株式会社スノーピーク 代表取締役社長 山井太さん)
——学生時代の経験で、今でも生きているものはありますか?
スキーショップでアルバイトをして、実際に、商品を発注して、販売することで経済活動の一端を経験でき、モノを見る目もつきました。
大学で学術的なことを学んで、アルバイトで実践していました。
——スノーピークに入社する前に1度別の会社に就職されていますが、その会社に就職した理由を教えていただけますか?
その会社は、スイスの会社でブランド品を輸入する日本法人だったのですが、ブランドの機能的価値だけでなく、精神的価値もあるようなビジネスを作り上げる仕事に興味があり、就職しました。
——スノーピークと形態が異なる会社だと思うのですが、外資系商社に入って自然豊かなところでモノを売っていきたいという考えがより強くなったのでしょうか?
スノーピークもある意味ブランドビジネスです。
ただ僕がサラリーマンをしていた会社は商社だから、1個のブランドを潰してしまってもまた他のブランドをやればいい。
スノーピークはメーカーなんで潰してしまうと再起できない、そういう差はありますね。
商社にいた時は、50くらいのブランドを取り扱っていたので、うまくいっているブランドもあれば、ダメなブランドもあった。
何をしたらブランド力が高まって、何をしたらダメになるか勉強になりました。
スノーピークのビジネスに、ブランドマネジメントという意味で役に立っています。
——学生に向けて、こういう事を勉強しておいた方がいい、こういう経験をするべきということはありますか?
いろいろな考え方があると思いますが、今の日本は資本主義経済がかなり変化してきていて、本当の意味で豊かな資本主義経済に向かっていると僕は思います。
さまざまな業界がありますが、例えば家電業界では、いままではメーカーが10社あるとすると1社がオリジナルを作って、残りの9社がそれをまねし、消費者のメリットは半年後にモノを安くで購入できた。
でもこれからは、10社が10社違う商品を作って、多様性を消費者に提供するような資本主義経済に向かっていると思います。
それは、消費者が発信している情報がインターネット上やSNS上でたくさん発信されているので、どこがオリジナル商品を作って、どこがまねをしたかがバレてしまう。
結局、正しくビジネスをする会社の商品を消費者の皆さんは購入したいと思っている人が増えてきている。
ビジネスチャンスとしては、今まで売れなかったモノが売れてきたり、多様性を受け取れるような消費者が増えてきているような気がする。
その中で勝っていこうとすると、おそらく好きなことを仕事にした方が当たるような気がします。
——今、若い人が東京に集まって、東京の人口が増え一極集中化と言われていますが、自然の多い地域に人を集めるためにはどうすれば良いとお考えでしょうか?
僕も基本的に仕事で東京に来ることが多いのですが、自分のベースは三条市にあって、行き来している状況です。
客観的にみると両方あった方がいいですよね。
今まではどちらかを選んでいましたが、これから日本はマルチハビテーション、東京にも居住空間があり、週末は田舎で過ごす、しかもそれは複数かもしれない。
そのように変わっていく感じがします。
東京都民でも、どこかの場所に週末自分ゆかりの場所があって、そこの住民として過ごし、地域の活動にも参加するような人が今増えてきているような気がします。
社会構造が変化してきているのかな。