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ブレーメン留学体験記5

商学部商学科 女性
留学期間: 2009年3月~2010年2月(4年次に留学)

 私の留学の目的は、ヨーロッパ経済の実情について現地で知りたいと思ったこと、ドイツ語をさらに上達させたいことにあった。明治大学在籍中には、国民経済について深く関心があり、ヨーロッパの社会保障制度などについても研究していた。そのため、ドイツでは自分の専門であるVWL(国民経済)科目の受講を希望していた。留学半年前に2カ月のMunchenでの語学学校の受講、自主的に日本でもドイツ語学校に行っていたため、ある程度話すこと、コミュニケーションがとれる自信はあった。

ブレーメン経済工科大学での学び

 日本からの交換留学の学生は基本的に自分で好きな科目を選択することができる。一応AWS japanischのコースに在籍するが他コース履修も可能である。Hochschuleの授業は生徒主体であり、プレゼンテーションが評価において重要となっている。AWSの授業は経営学が中心であり、いくつかのコースは英語で開講される。夏ゼメスターでは私はInternationales Wirtschaftsrecht とStrategic and Internaional Managementの2コースを受講、WuG(Wirtschaft und Gesellschaft)を聴講し、後期は他コースのInternationale Organisationen とArbaitsmarktpolitik im Internationalen Vergleichを受講し、Wirtschaftsgeschichteを聴講した。Internationales Wirtschaftsrechtは、国際貿易における法律について、毎回ケーススタディーを用いて、どのように判決を導き出すかというとても興味深い授業であった。一昨年通関士の資格を取っているため内容も重なる部分が所々あり、理解を助けたのだが、商法典を毎回引かなければなく、ドイツ語に苦労した。Strategic and Internaional Managementの授業は英語で行われ、各グループで指定されたテーマのプレゼンテーションを主とした授業だった。私たちのグループは、パフォーマンス計測・バランススコアーカードというテーマでの発表であった。ドイツ人のプレゼンテーション能力はとても高く、その後のディスカッションの盛んなところが特徴的である。グループ作業は友人から学ぶことが多かったが、マネージメントの授業は学びたかった領域とは離れたところであった。WuGは、どのようにして外国人が日本について学んでいくのかという興味から聴講した。なるほど面白い内容ではあったが、もっと自分の専門の勉強がしたいという欲求から、後半のセメスターでは他コース(ISVW)での授業を選択した。他コースでは勿論AWSの学生はおらず、日本人にとりわけ興味があるわけではないというのが実際であったが、授業はとても面白い内容であった。Internationale Organisationでは毎回教授が異なる国際機関や国際的な問題のテーマについての論文を配られたり、授業内で説明が行われたり、とてもフリースタイルであったが考えさせられる内容だった。後半ではプレゼンテーションとレポートの提出があり、私はOECDについてのレポートを書いた。勿論ドイツ語で12ページとなかなか骨の折れる作業であったが、書き上げることができた。このコースの学生たちはとても世界各国での情報にアンテナをはらしていて、とても勤勉であるのが印象的だった。Arbeitsmarktpolitik im Internationalen Vergleichは労働市場を中心としたネオクラシック、ケインズ派の概要や失業についてのモデルを学んだ。これは理論と現実を複合したとても楽しい内容であったし、ドイツ語での説明もとても新鮮だった。一つの原理をじっくりと学ぶ、わからなかったら一つのモデルでも何分でも割くというドイツらしい授業だった。Wirtschaftsgeschichteは明治大学で既に必修科目であるため、聴講だけをした。初めに一冊本を渡されてから、毎回さらに説明が付け加えられて、ただ歴史を追うのではなく、とても筋の通った理論的な説明だった。
 その他交換留学生は無料でドイツ語コース(週に3時間45分)を受けることができる。これはクラスの学生と、先生次第で善し悪しがあるようだが、後半のC1 Prasentationのコースはためになった。授業の合間にはAWSの学生とTandemを行いお互いのことについてよく知ることができた。

ドイツでの日常生活

 Bremenには実に穏やかな時間が流れている。どこへ行くにもSemesterticket(定期券)を使って路面電車か歩きで簡単に移動することができる。日本の学生のように週に何度もアルバイトをする子は少ない。そのため学校が終わると、自由な時間を過ごすことができ、友人とBarやPartyにでかける。初夏から夏には暖かくなり公園で寝転がり読書やビールを飲み、夜にはバーベキューをする。Freimarkt,Weihnachtsmarktなどのマーケット期間が数週間続くと街はまた活気に満ちて、こぞって人はそこへと出かける。また、休暇には大半の学生が戻り、私も友人と一緒に同行し、様々なドイツの家庭を感じることができたのもとても素敵な体験だった。ドイツ人は時間が使うのがとても上手であり、個人の時間を大切にしながら友人との娯楽の時間を楽しむ。多くの自然が生活の中にありスポーツをしたり、派手でないもののとても充実した生活を送ることができる。
 滞在中学校や授業後に、様々な友人と交流し、日本と同様かそれ以上に楽しい生活を送った。新しい留学生を受け入れる柔軟性が彼らにはあり、直接的でオープンな性格なドイツでは人間関係は簡単に見て取れる。HochschuleのAWSコースの学生は日本語を学んでいるため日本から来る留学生への興味は強く、私達には好都合な環境である。彼らは自己主張が強く、意見が対立することを厭わない。とても自己愛が強くそうでいることが普通であるので、実に人間らしい対立や友情がある。ドイツ人学生との交流だけでなく、他の国から来た留学生ともHochschuleの主宰する留学生同士の交流プログラムや、ドイツ語クラスを通して仲良くなることができ、私はとても素敵な友達を得ることができた。
 基本的な生活は、日本と比べるとそれほど変わらないか、安くてすむ。私がドイツ滞在中1ユーロ=137円程度だったので、比較的生活費は低く抑えられた。
≪商学部の協定校・ブレーメン経済工科大学に留学した商学部学生の一人です。留学を経験したことで、広い視野を身につけ、今後の可能性の幅が更に広くなったことを実感されたそうです。「帰国報告書」から、これから留学を目指すみなさんへのメッセージを紹介いたします。≫

 私のBremenの1年間はとても充実していました。様々な出会いや喜び、勿論悔しかったことや辛かったこともあります。それでも毎日が素敵でした。Bremenはとても人が暮らしやすい場所だと思います。自然や交通人間全てがストレスを感じさせない穏やかな町。Hochschuleの学生も皆とても親切で歓迎してくれます。ただ楽しむだけならだれでも簡単にできる環境が整っています。そこで何を学びとるのかは自分次第で、授業についていえば勿論日常会話以上のドイツ語能力が要求されます。ドイツ語はいくらできても損はないのでBremenで勉強したい方は是非ドイツ語の勉強を!ドイツでは自立性が日本以上に強く求められるので、受け身でいると何も得られないで終わります。色々な意味で強くなるのは間違いありません。私は4年のこの時期に留学してよかったと思います。様々な国の友人を通して広い視野や、可能性の幅に気づかせてくれる、留学が次の道に繋がっていると思うからです。日本にいるだけでは分からないことが沢山見つけられるでしょう。



メッセージとご報告、どうもありがとうございました。