イントロダクション

ゼミナール(演習)とは何か

国際日本学部長
横田 雅弘
 

 
 私は、大学での学びの真骨頂はゼミであると思います。なぜなら、ゼミは「主体的に学ぶ」という大学での学びのスタイルが最も強く求められるものだからです。

 ゼミでは、指導教員が示す大きなテーマに関心を寄せる仲間が集まり、20人を超えない小さなグループで、個々の学生が自ら設定する具体的なテーマに沿って活動していきます。ゼミによってその運営の仕方は多様ですが、与えられた課題をこなすのではなく、自らの興味をゼミの仲間や教員に投げかけ、コメントをもらいながら関連の本を読んだり、データを集めたりして深めていくという基本は共通しています。自分の疑問や関心からスタートした課題が深まってくると、人間はさらにそれを追求していきたくなります。こうなると、ちょっと面白そうだという程度では感じることのなかった探求心が湧き上がってくる。これが主体的な学びを発動させ、より高い完成度を求めて楽しくも苦悩するエネルギーになるのです。それは、単に面白いことをやるというだけではありません。この違いは、ゼミ活動の結果をまとめて作品(卒業論文など)に仕上げていく最後のプロセスによく表れています。すなわち、自分のやってきた活動について自己と対話し、省察し、ゼミの仲間やより専門的な知識と経験をもつ教員からのコメントを受け、推敲に推敲を重ねて自分が納得する言葉に表現していくという生みの苦しみを味わう最後のステージです。これは自分一人でやろうとしてもなかなかできるものではありませんから、そこにゼミの大きな意味があるのです。

 しかし不思議なことに、一度この体験をすると、社会に出て新しい課題に出会ったとき、それを面白そうだと感じて立ち向かっていく勇気が湧いてくる。自分一人でも、あの時ゼミでやった身体感覚が再び目覚めてくるのです。「自分は大学で何を学んだのか?」と自問自答する時、その回答の多くがこのゼミ活動に見出されるのは、このような身体感覚を身につけるからでしょう。一方、ゼミの仲間たちが互いに助け合い、時には真剣に考えをぶつけ合い、教室で、居酒屋で、合宿で、時に寝食を共にしながら友人としての深いつながりを築くことも、ゼミの活動を忘れがたいものにしています。先に述べた主体的な学びの経験が、ゼミのメンバーが互いに触発し合い、切磋琢磨することによって同時に起こってくるひとつのシナジーの経験であることが、この学びを格別のものにしているのです。

 国際日本学部の先生方は、専門は多様ですが、それぞれその道の優れた研究者であり、ゼミ活動は魅力に溢れています。この学部では、ゼミは必修ではありませんが、多くの皆さんがゼミに参加し、おおいに自らの『個』を鍛え、大学で学ぶ醍醐味を味わっていただけたらと思います。  

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