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林田 こずえ (HAYASHIDA KOZUE)

 aoki

 
卒業年月
2015年3月(4期生)
所属
株式会社 彩流社(東京都)
出身地
日本 埼玉県 

1 現在の仕事

私の仕事は書籍の編集者です。主に学術書や翻訳書を作る部署にいますが、今はジャンルを問わず様々な本を作っています。例えば、去年編集を担当し、ひと月で重版した『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』は、著者の方といちから企画を練り、1年かかって形にしました。また、『発見! 不思議の国のアリス』という本はオールカラーで、文章に沿った図版を探したり、ページレイアウトを考えたりしました。その他、黒人差別問題の本や、演劇の研究書や戯曲も担当し、これまでに15冊ほどの本を作っています。また、本は作って終わりではなく、どう広めるか、どう今後に繋げていくかを考えることも含めて「出版人」の仕事だということで、学会などへ書籍販売にも行っています。
 写真は静岡で開かれたSF大会に出張で行ったときに、美味しいとろろを食べた時の一枚。食べた料理や見た景色、たまたま聞き知った話など、何が企画になりそうかなと考えながら過ごす日々です。
 


2 国際日本学部での学生生活

 学部ではレポート課題で、ひとつにつき1万字以上書くことを目標にしていました。英語が苦手だったので、英語以外の授業を最大限楽しんだと思います。高山宏先生のゼミに所属し、表向きは表象文化を勉強していましたが、実は魔術や錬金術を習得していました。三年生では、澁澤龍彦、山口昌男、種村季弘らの著作を読み、四年生ではパラドクス、グロテスク、ピクチャレスク、マニエリスムからテーマを選んで、それに適するテキストを、そのテーマの視点で読み解いて発表しました。『夢の宇宙誌』や『敗者の精神史』、『迷宮としての世界』などの書物に出会えたことは一生の宝です。高山先生、いえ、学魔の誕生日に開かれるサバト「学魔Night」を主催したのは良い思い出でした。
 国際日本学部では錬金術こそ完全習得に至りませんでしたが、様々な視点や視野を学んだことが、企画を練る力、「練企画術」の習得に役立っております。

3 学部生へのメッセージ

先日、「宿題は成績に関係がない」というような記事が出ていましたが、「締め切りを守れる人間になるかどうか」には関係があると思います。学生の課題くらいは締め切りを守るか、締め切りを過ぎそうなときの言い訳を上手くできるようになっていないと、よほどの才能がないかぎり、信頼を失って大変なことになるというのが、今の私の実感です。国際日本学部は、おそらく明治のなかでも自分が好きなことを学べる格好の場所だと思いますので、自分が学びたいと思った講義の課題は締め切りを守り、単位をとって卒業してください。その経験が社会人になった時、背中を押すでしょう。
 締め切りを守れそうにない時の虎の巻を教えます。①すぐ先方(課題の場合は先生)に連絡。②遅れる理由と、いつ、どのように提出するのか具体的に相談。③ただし、「他の課題が大変だった」「他の用事で忙しかった」という言い訳はタブー。④先方の期待以上のものを提出する。これで万事うまくいきます。④が肝心です。良い学生生活を!

 
(2017年10月掲載)