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国際日本学部

中野区長等を招いたダイバーシティ・フォーラム「多様な人々が共に生きる社会づくり」が開催されました

2018年12月01日
明治大学 中野教務事務室

2018年11月25日(日)午後に、明治大学国際日本学部設立10周年記念行事の一環として、中野キャンパス・ホールにおいて、ダイバーシティ・フォーラム第1部「多様な人々が共に生きる社会づくり-中野から始める」が開催され、120名を超える参加者が集まりました。

鈴木賢志学部長の開会挨拶の後、以下の5名による多様な観点に立ったダイバーシティに関する報告がありました。

 酒井直人中野区長「中野区がめざすダイバーシティ都市」
 山本真梨子中野区観光協会常任理事「中野のダイバーシティ—これまでとこれから」
 伊藤義博電通ダイバーシティラボ事務局長「電通ダイバーシティラボがめざす企業と社会の関係」
 ジェイ・ケリー・P&Gジャパン執行役員「P&Gがめざすダイバーシティ&インクルージョン」
 佐藤郡衛異文化間教育学会理事長(国際日本学部特任教授)「ダイバーシティ推進に向けた大学の役割」

酒井区長は、近年の外国人住民の急増など、ダイバーシティに関する課題に触れた後、2018年4月に施行された中野区ユニバーサルデザイン条例の概要を説明し、ダイバーシティの推進に向けた大学や企業などとの今後の連携への期待を語りました

山本理事は、関東大震災後に中野に安アパートがたくさんでき、若い文化人が集まったこと、1966年にオープンした中野ブロードウェイがバラエティ豊かな空間を提供したこと、動くゲイとレズビアンの会の設立以来、中野がLGBTの方々のベッドタウンとなってきたことなど、中野のまちが歴史的に多様性を受け入れてきたまちであることを報告しました。

伊藤事務局長は、電通ダイバーシティラボの取り組み概要を紹介した後、障害に関する定義の個人モデルから社会モデルへの移行やマスマーケティングからインクルーシブマーケティングへの変化と具体的事例について述べ、企業市民としてダイバーシティとインクルージョンに取り組む意義を報告しました。

ケリー執行役員からは、P&Gでは経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進(多様性の受容と活用)に取り組んでおり、多様な社員が最大限の力を発揮できる組織を重視していること、そして2016年にD&I啓発プロジェクトを起ち上げ、管理職向け「インクルージョン」スキル研修等を過去2年間で約300社へ提供したことを報告しました。

上記4名の報告を受け、佐藤教授は大学が学内で進めるダイバーシティとインクルージョンについて論じた後、2019年度に国際日本学部が中野区や企業と連携して、学生が地域のダイバーシティの課題について調査研究を行う講座を開設予定であることを報告し、また、学部と中野区、企業等が参加する「ダイバーシティ推進機構(仮称)」の設置を提案しました。

コメンテーターの田村太郎ダイバーシティ研究所代表理事(国際日本学部兼任講師)は、ダイバーシティの推進には、多様な担い手による連携が重要であることを、全国の事例も踏まえて解説し、中野での多様な担い手による連携への期待を語りました。

モデレータの山脇啓造国際日本学部教授は、このフォーラムを中野区で多様な人々が共に生きる地域づくりを進めるキックオフにしたいと総括し、最後に、会場の参加者一同によって「なかのダイバーシティ宣言」が採択されました。

なお、フォーラム第1部の後には、土屋恵一郎明治大学学長による講演があり、11月23日に発表された「明治大学ダイバーシティ&インクルージョン宣言」が紹介されました。また、フォーラム第2部では、鹿島茂教授他4人の国際日本学部教授が登壇し、「家族類型から見た世界の多様性」についての討論が行われました。

*フォーラム第1部の開始前と終了後に、国際日本学部岸磨貴子ゼミが中野区観光協会にご協力いただき制作した「やさしい日本語」に関する動画が上映されました。

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なかのダイバーシティ宣言

ダイバーシティとは社会の構成員が多様であり、価値観や生き方も多様であることをお互いに認め合うことです。性別、性的指向・性自認、年齢、国籍、民族、障がいなどを理由とする差別がないことはもとより、これらのちがいを尊重し、ちからに変えることが、持続可能で創造的な社会づくりには必要です。

中野のまちには、代々暮らしている住民に加え、全国からやってきた若者、そしてLGBTの人たちや外国にルーツを持つ人たちも大勢暮らしています。サブカルやアール・ブリュットのまちとしても知られています。

これからも、多様な人々が共に生き、誰にとっても居心地のよい地域をつくることを私たちはめざします。

                    2018年11月25日
          明治大学国際日本学部設立10周年記念
              ダイバーシティ・フォーラム
  「多様な人々が共に生きる社会づくり—中野から始める」
                      参加者一同