■アーカイブ「明治大学 米沢嘉博記念図書館 展示のあゆみ」

アーカイブ「明治大学 米沢嘉博記念図書館 展示のあゆみ」

ごあいさつ

ごあいさつ
2019年10月、米沢嘉博記念図書館は開館10年を迎えました。
10年の間に開催された30をこえる企画展を振り返ります。


2020 年2 月
米沢嘉博記念図書館




No.00
第1回
米沢嘉博の迷宮
(2009年10月31日~2010年5月31日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-meikyu.html

米沢嘉博の迷宮

 米沢氏の評論活動の出発点となる同人サークル「迷宮」が発行していた「漫画新批評大系」をはじめとする著作、編集・寄稿本、原稿を時系列に構成、展示しました。
 米沢氏は中学時代からマンガや小説の創作活動を開始し、創作者としての意識を生涯持ち続けていました。アイディアノートのみならず、愛用の釣り道具などを展示し、創作に打ち込んだ姿や人柄を伝えました。

漫画新批評大系 vol.1 創刊号
迷宮'75 1975年
複製







《壁ケース展示》

壁ケース展示


No.01
第2回
同人誌の小宇宙 米沢コレクションを中心に
(2010年6月4日~9月27日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-microcosmos.html

同人誌の小宇宙 米沢コレクションを中心に

 さまざまな同人誌を通して、同人誌には実際どのようなものがあるのか、同人誌はジャンルを生みだす場としてどのような機能を果たしてきたのか、現在プロとして活躍している作家たちが同人誌とそれを支える場によって何を得てきたのか……。総じて「同人誌とはどういったものなのか」を、感じ取っていただけることを目指した展示でした。
 当館所蔵の同人誌資料を中心に、一部借用資料を交えて、展示しました。




No.02
第3回
コミックマーケットの源流
(2010年10月1日~2011年1月30日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-genryu.html

コミックマーケットの源流

 ファンの、ファンによる、ファンのための市場はいかに生まれたのか?

 1970年代は、まんがファンが、自ら発信する場や媒体を獲得し始めた時代でした。同人誌を発行するサークルが多数出現し、商業流通の外に自分たちの市場を作りだしたのです。そしてその潮流の申し子が、1975年に誕生した「コミックマーケット」でした。
 今や世界最大規模の同人誌即売会へと発展したコミックマーケットは、当時、いかに生み出されたのか。コミックマーケット準備会の初代代表、霜月たかなか氏の監修協力のもとに、初期コミックマーケットの姿を浮かび上がらせました。




No.03
第4回
吾妻ひでお美少女実験室/吾妻ひでおマニアックス
(2011年2月4日~5月29日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-azuma.html

吾妻ひでお美少女実験室/吾妻ひでおマニアックス

 吾妻ひでお氏の全面協力のもと、切り口を変えたふたつの個展を、当館と明治大学博物館の2会場で開催しました。
 吾妻ひでおは、日本のマンガやアニメを特徴づけるキャラクターのスタイルや描写、SF的表現などに、さまざまな革新をもたらしてきました。 とりわけ、おたく文化の形成におよぼした影響は絶大で、今の秋葉原を彩る多くの絵柄に吾妻作品の遺伝子が引き継がれています。 その吾妻ひでおが開拓したさまざまな表現を、豊富な原画とともに展示しました。




No.04
第5回
耽美の誕生 ボーイズラブ前史
(2011年6月3日~10月2日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-tanbi.html

耽美の誕生 ボーイズラブ前史

 女性向けの小説・まんが・イラストなどの創作物に、かつて「耽美」と呼ばれ、現在、男性同士の関係を描くことに特化した「ボーイズラブ」と呼ばれるジャンルがあります。
 他の多くのジャンルの成立期と同じく、さまざまな他分野の要素を養分として生まれました。それは少女たちの無茶苦茶なパワーで、あらゆる文化の耽美な部分をクロスオーバーさせ、囲い込み、蛸壷化させていく過程でもありました。
 この「耽美」が、独自のジャンルとして成立する上で大きく寄与した雑誌「JUNE」を中心に、関連資料を展示しました。




No.05
第6回
武富健治の世界 「古代戦士ハニワット」から「鈴木先生」まで
(2011年10月7日~2012年1月29日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-taketomi.html

武富健治の世界 「古代戦士ハニワット」から「鈴木先生」まで

 武富健治氏の代表作であるマンガ「鈴木先生」は、中学校を舞台にきわめて濃密な心理劇を繰り広げ、高い評価と幅広い人気を獲得しています。
 また武富氏は、高校・大学では漫画研究会に所属。また「胡蝶社」の名で同人誌即売会へ参加し、同人誌での作品は故・米沢嘉博氏からも注目されていました。
 武富氏の全面的な協力のもと、少年時代から構想を温め続けている「古代戦士ハニワット」から「鈴木先生」まで、その特異な作品世界と、それがどのように形成されてきたのかをたどる展覧会でした。




No.06
第7回
伝説の雑誌「COM」 コミックス×コンパニオン×コミュニケーション
(2012年2月3日~5月27日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-com.html

伝説の雑誌「COM」 コミックス×コンパニオン×コミュニケーション

 1967年から1971年にかけて刊行され、まんがマニアたちに愛読された伝説のまんが誌「COM」。「コミックス」「コンパニオン」「コミュニケーション」を掲げた同誌の理念は、"まんが"の"仲間"たちが"交流"することを促し、後のコミックマーケット創設につながる潮流を生み出しました。
 『COM 40年目の終刊号』(朝日新聞出版)の刊行を機に「COM」本誌と「COM」を取り囲む状況を振り返る資料で、伝説の一端をお伝えしました。




No.07
第8回
『孤独のグルメ』 谷口ジロー原画展
(2012年6月1日~9月30日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-jiro_taniguchi.html

『孤独のグルメ』 谷口ジロー原画展

 谷口氏は、極めて高い画力と構成力によって、幅広いジャンルの作品を手がけ、高い評価と熱い支持を集めてきました。その評価は海外にもおよび、フランスで芸術文化勲章シュヴァリエを受勲するなどの栄誉に輝いています。
 当展示では原作者・久住昌之氏と組み、「男が一人で食べる」ことに焦点を合わせ、「ハードボイルドグルメ」マンガという新境地を切り開いた「孤独のグルメ」を中心に、繊細で力強く、ユーモアを兼ね備えた原画を展示しました。
 イベントは、谷口氏の出身地である鳥取県と明治大学との連携企画として行いました。




No.08
第9回
内記稔夫 -日本初のマンガ図書館をつくった男-
(2012年10月5日~2013年1月27日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-naiki.html

内記稔夫 -日本初のマンガ図書館をつくった男-

 日本初のマンガ図書館は、内記稔夫によって1978年に設立された私設の図書館でした。
 マンガ少年だった内記氏は、貸本屋を運営する中から、マンガ専門の図書館や、マンガアーカイブの必要性を感じ、賛同する方たちの協力を得て施設を設立。30年以上もの長きにわたって運営しました。
 内記氏は2012年6月惜しまれつつこの世を去りましたが、多くの貴重な資料をもとに、内記氏の業績やその交友関係、彼の創った「現代マンガ図書館」の成り立ちや概要などを紹介しました。鳥取県×明治大学連携展示企画として、鳥取県で巡回展示されました。
 同館は2020年秋には明治大学駿河台キャンパス内に場所を移し、米沢嘉博記念図書館と複合的な運用を行う予定です。




No.09
第10回
すがやみつる展:『ゲームセンターあらし』とホビーマンガ
(2013年2月1日~6月2日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-sugaya.html

すがやみつる展:『ゲームセンターあらし』とホビーマンガ

 すがやみつる氏の代表作「ゲームセンターあらし」は、ビデオゲームを主題に据えた世界初のマンガです。当時の少年たちの憧れを大いにかきたて、『コロコロコミック』誌で「ドラえもん」と人気を二分する大ヒットとなりました。すがや氏は「あらし」のほかにも、ホビーマンガの先駆となるさまざまな作品を展開し、とりわけ「こんにちはマイコン」はホビー向けパソコンの黎明期に、多くの少年たちをパソコン趣味へと誘いました。
 当展示ではすがや氏の作品群を原画で展示するとともに、描かれたゲームやホビーを紹介し、当時の少年文化の一角とマンガとの関係に光を当てました。




No.10
特別展
明治大学・魔法少女まどか☆マギカ等身大原動画展
(2013年3月2日~3月6日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-madoka.html

明治大学・魔法少女まどか☆マギカ等身大原動画展

 2011年にテレビ放映され、青年層を中心に大きな反響を呼んだアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」。アニメーションの重要な要素の一つである「動き」を、作画資料を等身大に拡縮することにより、アニメーターによる生き生きとした筆致とともに臨場感のある体験として現出すべく、アニメーションの制作工程に込められた膨大な創意の一端を、装いを新たに感得して頂くことを目指した展示です。「魔法少女まどか☆マギカ」制作会社のシャフトならびに制作委員会のご協力により、当館2階にて開催しました。




No.11
第11回
小松左京『日本沈没』 -未来へのヴィジョン- 展
(2013年6月7日~10月6日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-sakyo.html

小松左京『日本沈没』 -未来へのヴィジョン- 展

 小説「日本沈没」は1973年に出版、大ベストセラーとなりました。高度に社会的なテーマをSF的視点から示し、広く一般にアピールしたこの作品は、SFファン層の拡大にも貢献しました。二度の震災を経て、SF的題材は真に迫るものとなり、そこに織り込まれた「日本とは、日本人とは何か」というテーマも、ますます重いものとなっています。
 展示では、「日本沈没」の生原稿や映像、マンガなどの紹介を通して、「日本沈没」の問題意識や、未来に投射されたメッセージに焦点を合わせました。小松左京が発足メンバーの一人であった日本SF作家クラブ創立50周年イベントとして、改めて「日本沈没」に向かい合いました。




No.12
特別展
「SFと未来像」展
(2013年9月1日~9月29日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miraizo.html

「SFと未来像」展

 日本では戦後、海外のSFの潮流を吸収し、さまざまな社会変化を背景にしながら、独特の空想科学的な作品群を、小説・マンガ・アニメ・特撮などの分野で産み出してきました。本展は2013年に50周年を迎えた日本SF作家クラブと、明治大学 米沢嘉博記念図書館との共催により、SFと社会的に流布されてきた未来像との相関に焦点を合わせ、その時代ごとの変遷と、これから造られる現実の未来へのヴィジョンを、原画などにより展示。明治大学博物館特別展示室を会場にして行われました。




No.13
第12回
相田裕「GUNSLINGER GIRL」 "改造"と"再生"の10年展
(2013年10月11日~2014年1月26日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-aida_gun.html

相田裕「GUNSLINGER GIRL」 改造と再生の10年展

 相田裕のマンガ「GUNSLINGER GIRL」は、2002年「少女に与えられたのは大きな銃と小さな幸せ」という印象的なコピーから始まり、政府の公安組織と反政府組織の熾烈な戦いを描いて、2012年に幕を閉じました。
 物語の舞台は架空のイタリア。改造され戦いに身を投じる少女たちと、彼女たちを指導する大人の二人組「フラテッロ」に、最終的に与えられた幸せとは何か。
 本展では、完結まで10年にわたる作者の営為と創意に“改造”と“再生”という視点から迫り、「GUNSLINGER GIRL」の果たした大きな意義を提示しました。




No.14
第13回
次元の壁をこえて 初音ミク実体化への情熱展
(2014年1月31日~6月1日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miku.html

次元の壁をこえて 初音ミク実体化への情熱展

 最初は歌声と、公式のパッケージイラストしかなかった音声合成ボーカル音源「初音ミク」。その人気が広まるにつれ、その歌をもっと聞きたい、そしてその姿を見たいという無数の情熱によって、さまざまな歌やイラスト、映像や物語が創られ、ライブも開催されるようになりました。
 そうした初音ミクを構成する現象の中でも、コンピュータの中から次元をこえて「初音ミクを実体化させたい」という夢に挑戦した人々の試みに焦点を合わせ、初音ミクがかきたてた、架空のキャラクターに“会いたい”という「次元の壁をこえる」ための創意と技術の現在を紹介し、そこに投じられた情熱をお伝えしました。




No.15
第14回
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞記念展
『昭和元禄 落語心中』と雲田はるこ ~落語に行こうぜ!~
(2014年6月6日~9月28日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-kumota.html

『昭和元禄 落語心中』と雲田はるこ ~落語に行こうぜ!~

 「昭和元禄落語心中」は2010年より『ITAN』創刊零号にて連載開始された落語マンガで、2013年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しました。
『「昭和元禄落語心中」は作中での落語シーンから、噺の見所をあえて外してみたりしています。それで本物の落語の続きを見たくなって、生の落語を聞きに行って頂けたらなと思っております。(雲田はるこ)』
この作者の精神と作品コンセプトを引き継ぎ、同作を紹介することを通して、落語会に行きたくなる展示およびイベントを構成しました。




No.16
第15回
「別マまんがスクール」の成立と鈴木光明展
(2014年10月3日~2015年2月1日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-mitsuaki_suzuki.html

「別マまんがスクール」の成立と鈴木光明展

 1963年末に創刊したマンガ雑誌『別冊マーガレット』は、1972年には日本の少女月刊誌初の100万部を突破しました。この売れ行きを支えたのは、1966年にはじまった「別マまんがスクール」による新人育成システムでした。月1回定期的にまんが家志望者の投稿作を細かに添削する、まさに学校(スクール)制度のようなこのシステムは、当時一般的ではなく、画期的なものでした。
 まんが家であった鈴木光明は、当時の編集長、小長井信昌とともにこのシステム確立に貢献し、後進指導に尽力しました。別マまんがスクールと鈴木光明の役割を紹介し、日本の少女まんがの新人育成システムがどのように成立してきたかに光を当てました。




No.17
第16回
~没後20年展~ 三原順 復活祭
(2015年2月6日~6月14日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun.html

~没後20年展~ 三原順 復活祭

 70年代から80年代にかけて、マンガ「はみだしっ子」を筆頭にその作品が熱狂的に支持された三原順。1995年3月20日、42歳で病没した直後はそれほど大きく取り上げられたわけではなく、出版界から忘れ去られるかにみえました。しかしマンガ情報誌で何度も追悼特集が組まれ、ネット上で、同人誌で、ファンたちは熱く語り続け、やがて三原作品の復刻を求める活動に結びつき、文庫本や復刊本、豪華本の出版など、多くの成果を生みだしてゆきました。
 三原順の思索の深さ、児童の虐待・原発問題など、今考えるべき様々な問題への尖鋭的な取り組み。その作品像に、没後20年20冊目の文庫が刊行されるのを期に迫りました。




No.18
第17回
赤塚不二夫生誕80周年 赤塚キャラ誕生のひみつ展
(2015年6月19日~10月4日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-akatsuka.html

赤塚不二夫生誕80周年 赤塚キャラ誕生のひみつ展

 愛嬌いっぱいで、一目で覚えることができる赤塚不二夫のキャラクターたち。そのインパクトと存在感は、豊かなキャラクター文化をもつ日本の中でも、ひときわ重要です。
 2015年は、赤塚不二夫の生誕80年。本展示では、赤塚不二夫の生誕を祝うとともに、赤塚キャラクターたちの生誕を祝い、チビ太、アッコちゃん、イヤミ、バカボンのパパ、ニャロメ、ベラマッチャ、ウナギイヌ、そして赤塚不二夫自身などのスターキャラクター誕生のルーツを紹介しました。




No.19
第18回
江口寿史展 KING OF POP Side B
(2015年10月9日~2016年2月7日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-eguchihisashi.html

江口寿史展 KING OF POP Side B

 江口寿史は、1977年のデビュー以来、30年以上にわたって、いつもその時代ごとの〈ポップ〉を形にし続けてきました。幅広く愛されるポピュラリティを持ち、それでいて、時代の先端ではじける軽さを兼ね備えること。『少年ジャンプ』の人気作家であることと、サブカルチャーの最先端に位置することを両立させられる稀有な資質を持つ作家だといえるでしょう。
 米沢嘉博記念図書館では、川崎市市民ミュージアムなどを巡回する「江口寿史展 KING OF POP」のSide B として、マンガやイラストの原画に加え、初出誌や関連資料を多く用いて開催。それぞれの仕事が置かれた時代の文脈を見、江口寿史の〈ポップ〉はどのような時代の気分の中で形作られ、またどのような時代の気分を形作ってきたのかを、会期を4期に分けて探りました。




No.20
第19回
マンガと戦争展 6つの視点と3人の原画から+α
(2016年2月11日~6月5日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-war.html

マンガと戦争展 6つの視点と3人の原画から+α

 2015年夏、戦後70年の節目を迎え、京都国際マンガミュージアムで開催された、戦争についての展示を巡回しました。
 「戦争マンガ」を、6つの視点で選ばれた24の作品とその背景を解説するパート。新しい視点と表現で「戦争マンガ」を描いている3人の作家こうの史代・おざわゆき・今日マチ子の原画を展示するパート。
 さらに、西島大介の原画を、当館オリジナル「+α(プラスアルファ)」のパートとして追加展示し紹介することで、戦争と戦後を再び考えるためのひとつの視点を提示しました。




No.21
第20回
アズ50年展 ~マンガ同人の半世紀~
(2016年6月10日~10月2日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-azu.html

アズ50年展 ~マンガ同人の半世紀~

 九州を中心に活動し続けてきたマンガ同人誌グループ「アズ漫画研究会」。コミックマーケット準備会代表を長年務め、当館コレクションを旧蔵していた故・米沢嘉博氏もメンバーでした。1966年秋から50年続いているこの研究会の、草創期から現在まで――。「肉筆回覧誌」「ガリ版」「湿式コピー(青焼き)」「乾式コピー」を経て「オフセット印刷」へと、ひとつの漫画研究会のあゆみを通して、同人誌の歴史の全貌に迫り、文月今日子、陸奥A子など、アズに所属するプロ作家の代表作原画や若手の活躍などを紹介しました。




No.22
第21回
東村アキコ原画展
(2016年10月7日~2017年2月12日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-higashimura.html

東村アキコ原画展

 ファッション、育児、アラサー、おたく女子、芸能界、歴史、探偵ものなどの様々な題材を、講談社・集英社・小学館というマンガ三大出版社で連載してきたマンガ家・東村アキコ。数々のヒット作を豊富な原画を通して紹介し、後進の指導育成にも尽力する彼女の、突出したプロデュース力にも迫りました。
 横手市増田まんが美術館、石ノ森萬画館での同展を経ての、リニューアル展示でした。




No.23
第22回
LOVE♥りぼん♥FUROKU 250万乙女集合 りぼんのふろく展
(2017年2月18日~6月4日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-furoku.html

LOVE♥りぼん♥FUROKU 250万乙女集合 りぼんのふろく展

 少女文化を創刊以来リードし続けてきた雑誌『りぼん』。1994年には、少女マンガ誌史上最高発行部数255万部という数字を達成し、いまだにその記録は破られていません。
 人気の理由の一つには、「ふろく」の存在がありました。本展では、250万乙女が夢中になった時代の『りぼん』のふろくに特に注目し、初期から現在まで、ふろく文化の変遷を追いました。京都マンガミュージアムからの巡回展でした。




No.24
第23回
聖悠紀「超人ロック」生誕50周年展
(2017年6月9日~9月24日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-locke.html

聖悠紀「超人ロック」生誕50周年展

 マンガ「超人ロック」は2017年に生誕50年を迎えました。単独作家による未曽有の超長期シリーズ連載である本作。第1作の表書きには「SFファンと そうでない人に」と入っていました。
 作者の聖悠紀は、本作を最初からSF好きにお薦めの作品、しかしすべての人に向けたエンターテインメントであると宣言して描きはじめたのです。この表書きが書かれた日付は1967年6月20日、そして第1作完成の日付は同年9月24日。まさにロック(6・9)。
本展では、今も2誌で活躍し続ける不滅の超人ロックの世界をはじめ、聖悠紀作品の全容を紹介しました。他の50周年企画とともに、2018年第49回星雲賞自由部門を受賞しています。




No.25
第24回
~日本におけるチェコ文化年2017~ チェコ・コミックの100年展
(2017年9月29日~2018年1月28日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-czech.html

~日本におけるチェコ文化年2017~ チェコ・コミックの100年展

 近年チェコでは独自のコミック文化が育ってきました。長く続いた社会主義体制下で抑圧されていた世界のコミック文化が、自由化後、一気に紹介されました。その刺激とショックの中 ─例えば、フランスのバンド・デシネとの交流、アメリカのコミックや日本のマンガの影響などから、絵本でコマワリが用いられたり、あるいは名作がコミック的な挿絵により再版されるなど─ 新しい潮流が浸透してきたのです。
 本展では、雑誌・単行本・原画などの資料により、チェコ・コミックの源流を辿り、その歴史を総覧しました。




No.26
第25回
おきあがりこぼしプロジェクト明治大学展
100人超のマンガ家による かわいい社会支援
(2018年2月9日~5月20日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-koboshi.html

おきあがりこぼしプロジェクト明治大学展

 マンガ家によって制作されたおきあがりこぼしを100体以上展示しました。福島の郷土品であるおきあがりこぼしに絵付けをすることで、日本に、福島に心を寄せてほしい……願いを込めてフランスから始まった「おきあがりこぼしプロジェクト」の足跡、震災へのマンガ家の社会貢献について、日本漫画家協会をはじめ、プロジェクトに関わる各団体の協力のもと、紹介しました。




No.27
第26回
米沢嘉博の『戦後怪奇マンガ史』展
~怪奇・恐怖マンガの系譜1948-1990~
(2018年6月1日~9月30日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-kaikimanga.html

米沢嘉博の『戦後怪奇マンガ史』展

 米沢嘉博氏によって書かれた『戦後怪奇マンガ史』(鉄人社)、本書が刊行されたのは、米沢氏が亡くなってから10年近く経た2016年でした。
 本展示では、貸本などの貴重な資料や、ホラーマンガの原画を通して、本書のエッセンスを紹介しました。
 開催後、再構成した展示がシドニーのジャパンファウンデーションにて「RETRO HORROR(レトロホラー展)」として2019年10月18日~2020年1月24日まで開催されました。




No.28
第27回
デビュー45周年&「パタリロ!」100巻達成記念 魔夜峰央原画展
(2018年10月12日~2019年2月11日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-mayamineo.html

魔夜峰央原画展

 本展示は、マンガ家・魔夜峰央のデビュー45周年と、2018年11月20日の「パタリロ!」100巻刊行を記念して、「パタリロ!」のトビラ絵をはじめ、数ある魔夜峰央作品にスポットをあてました。第1期:ラシャーヌ!特集、第2期:短編怪奇マンガ特集、第3期:美少年美青年特集、第4期:ミーちゃん特集と会期をわけ、テーマに沿った美しい原画を展示しました。
 開催後、コーナーを増やすなど、よりパワーアップした展示が、北九州市漫画ミュージアム、新潟市マンガ・アニメ情報館に巡回されました。




No.29
第28回
BEASTARS原画展 ~板垣巴留の世界~
(2019年2月22日~6月9日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-beastars.html

BEASTARS原画展 ~板垣巴留の世界~

 本展示は、2016年に連載開始するや読者から圧倒的な支持を受け、2018年には数々の賞を受賞したマンガ「BEASTARS」の魅力を、多数の原画を通して紹介しました。
 独特な世界設定のもと繰り広げられる“動物版ヒューマンドラマ”として注目を集める本作の、初となる個展。会期を4期に分け、作品世界の複雑なドラマ性を会期ごとの4つの軸から読み解きました。
 近年では珍しく完全なアナログで描く作者の、活き活きとした描線の原画が展示されました。




No.30
第29回
三原順カラー原画展 ~札幌からようこそ~
(2019年6月21日~2019年8月26日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-miharajun-color.html

三原順カラー原画展 ~札幌からようこそ~

 北海道は札幌から、代表作「はみだしっ子」をはじめとする三原順のカラー原画が18枚関東にやってきました。彼女の友人宅に大切に保管されていた原画です。それらを関東に保管されている2色原画を含めたカラー原画たちとともに展示しました。中には、修復作業から戻ってきたことにより展示可能になった原画もあります。2015年に当館で開催された「~没後20年展~ 三原順 復活祭」で好評だった原画も一部展示しました。

※本展示は、文化庁平成27-30年度メディア芸術連携促進事業の連携共同事業として実施された、マンガ原画の収集、保存・管理、利活用に関する企画に当館が参加し、得られた成果をもとに開催しました。




No.31
第30回
紙資料から見るコミックマーケット展
(2019年9月6日~11月4日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-kamicomiket.html

三原順カラー原画展 ~札幌からようこそ~

 日本のマンガのバラエティ豊かな創作の源として、多くの表現の場である同人誌即売会「コミックマーケット」。世界から人が集まるこの巨大イベントでは、厚い冊子版カタログ、細かなジャンル分けがなされたサークル参加申込書セットなど、様々な書類、冊子が生み出されています。
 コミックマーケット創設者のひとりであり、第2代代表を長く務めた米沢嘉博氏所蔵の資料のほか、様々な貴重資料をもとに、このイベントがいかに育ち今に続いてきたかを、紙資料を中心に展示しました。




No.32
第31回
おしぐちたかしコレクションから見る海外マンガ展
(2019年11月15日~2020年1月27日)
WEB:https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-oshiguchi.html

おしぐちたかしコレクションから見る海外マンガ展

 おしぐちたかし氏は、戦後日本において海外マンガの存在感が希薄化した時代、書店員、編集者、マンガ評論家といった多角的な立場でマンガとかかわり、すべての立場から海外マンガを紹介し続けてきました。
 本展示では、アメリカ、フランス、台湾、香港などの貴重なマンガ・資料・グッズ・原画などのおしぐち氏のコレクションを通して、日本における海外マンガの受容について考え、また、これまであまり注目されることのなかった、氏の果たしてきた役割の重要性にも焦点を当てました。







《正面壁展示》

正面壁展示

壁01
壁01
第4回
吾妻ひでお美少女実験室
/吾妻ひでおマニアックス
(2011年2月4日~5月29日)
ポスター
壁02
壁02
第10回
すがやみつる展:
『ゲームセンターあらし』とホビーマンガ
(2013年2月1日~6月2日)
ポスター

壁03
壁03
第14回
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞記念展

『昭和元禄 落語心中』と雲田はるこ
~落語に行こうぜ!~
(2014年6月6日~9月28日)
ポスター
壁04
壁04
第28回
BEASTARS原画展
~板垣巴留の世界~
(2019年2月22日~6月9日)
ポスター

壁05
壁05
第29回
三原順カラー原画展
~札幌からようこそ~
(2019年6月21日~8月26日)
ポスター




米沢嘉博記念図書館と現代マンガ図書館のこれから
 米沢嘉博記念図書館は2009年10月、マンガ評論家の米沢嘉博氏の蔵書を中心にしてここ、神田猿楽町で開館しました。
 現代マンガ図書館は、貸本屋を運営していた内記稔夫氏がマンガ専門の図書館や、マンガアーカイブの必要性を感じ、賛同する方たちの協力を得て1978年に私設図書館として設立し、2009年12月より明治大学現代マンガ図書館になりました。
 2020年秋以降、現代マンガ図書館は明治大学駿河台キャンパス内に場所を移し、米沢嘉博記念図書館と複合的な運営を行う予定です。

米沢嘉博記念図書館と現代マンガ図書館のこれから

第9回
内記稔夫
-日本初のマンガ図書館をつくった男-
(2012年10月5日~2013年1月27日)
ポスター



《覗き込みケース展示》


関連資料
 展示の開催のみならず、当館の展示からさまざまな資料が生まれています。その一部をご紹介します。展示資料そのほかの関連資料を2階閲覧室でお読みいただけます。

覗き込みケース展示

【展示品】
(左から順)

01.
第4回
吾妻ひでお美少女実験室/吾妻ひでおマニアックス 関連
文藝別冊 KAWADE 夢ムック
総特集 吾妻ひでお
河出書房新社 2011年

 当館展示と連携して出版された書籍の1冊目。当館より出版社に刊行を提案し、吾妻氏、インビュア-、巻末解説や作品リストの執筆陣などを紹介させていただきました。書籍として2012年第43回星雲賞ノンフィクション部門を受賞しました。
02.
第18回
江口寿史展 KING OF POP Side B 関連
江口寿史 KING OF POP sideB
江口寿史著、宮本大人編
青土社 2016年


 展示が好評を博したことから、本展示キュレータである宮本大人明治大学准教授による編集にて、展示後、図録にあたる書籍が刊行されました。

03.
第22回
LOVE♥りぼん♥FUROKU
250万乙女集合 りぼんのふろく展 関連
りぼんのふろく 「カワイイ」のひみつ
1編デジタル・コミック企画編集部編集
集英社 2018年


 展示のため、当館に集約された京都国際マンガミュージアム、弥生美術館、当館などが所有する「りぼん」のふろくの撮影に協力しました。
04.
第27回
デビュー45周年&「パタリロ!」100巻達成記念
魔夜峰央原画展 関連
「パタリロ!」100巻達成
魔夜峰央原画展 公式ビジュアルブック
魔夜峰央原画展実行委員会企画
白泉社 2019年


 展示構成やテキストなど、当館が作成した資料をもとにした展示図録です。リニューアル巡回展会場で販売する目的で制作され、北九州市漫画ミュージアム、新潟市マンガ・アニメ情報館で販売されました。

《映像》

米図展示の歩み 2020年2月まで(13分48秒)