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研究科長あいさつ

農学研究科長 農学博士 川上 直人



 農学は、自然を理解し、その理解を人類が抱える問題の解決に積極的に活用する学問、研究分野です。自然を理解しようとする欲求は、「これは何だろう?」という好奇心と、「これが分かれば、こうすれば、人が人として生きてゆけるのに…」といった必要性の両面からわき出てきます。農学は、食料・環境・生命に関わる課題を見つけ、その根源を解明して「どうしたらよいか」を提案し、解決を目指します。その実現には、自然科学から社会科学にいたる幅広いアプローチを総動員して対応することが重要です。このような農学の教育と研究を推進するため、明治大学大学院農学研究科では、農芸化学、農学、農業経済学、生命科学の4専攻を設置しています。
 農学は私達に大変身近な、魅力に満ちた、そして欠くことのできない分野ですが、その性質から基礎から応用までの広がりを持ち、分子レベルのミクロな世界から生態系そして地球レベルのマクロな世界まで広がっています。農学の実践をサポートする施設・設備として、本研究科ではライフサイエンス分野の最先端の研究に要求される高度な研究機器類を整備し、充実させています。さらに、2011年に「明治大学植物工場基盤技術研究センター」、2012年には環境・自然・地域との共生をコンセプトとして里山に位置する「黒川農場」が開設され、2014年には最新設備を持つ教育・研究棟が完成し、活発な活動を支援する設備がますます充実しています。今後も新たな施設や技術を積極的に導入すると共に、優秀な教員スタッフの充実を図り、研究面での社会貢献を目指していていきたいと思います。
 本研究科では、「食料・環境・生命」に関わる問題を発掘し、その解決を目指す人材の育成を目標とし、意識的に大学院生への支援を充実させています。具体的には、若手研究者の育成を目的とする助手制度、教育者・研究者へのトレーニングとなるティーチングアシスタント(TA)・リサーチアシスタント(RA)制度、国際学会での報告支援制度、各種奨学金、進路決定をサポートするキャリア支援制度などがあります。本研究科は、大学院生の皆さんが充実した研究生活を送ることができるように、その環境改善をいつも意識しています。このような環境の中、大学院生の皆さんが筆頭著者となった高水準の学術論文・学会発表等が本研究科から数多く発信されていることは大変喜ばしいことです。皆さんが、私達スタッフと共に魅力的な農学研究に取り組み、実践的に農学を学び、革新的な研究成果を生み出すとともに、持続的な環境や社会の実現に貢献する人材として羽ばたくことを期待しています。
明治大学大学院