2024年度中学校卒業式

式辞

 一雨毎に春の訪れを感じるなか、本日、明治大学付属明治中学校三年生一八一名が卒業を迎えた。誠に喜ばしい瞬間である。

 三年前、新型コロナ感染症の流行が収まり徐々に平常を取り戻すなか、新しい制服に身を包み、緊張した面持ちで入学した新入生が、今、十五歳の逞しき少年少女に成長した。コロナ禍を経て君達の日々の成長を支え暖かく見守って下さったご家族の皆様、そして丁寧に指導していただいた教職員の方々に校長として心より御礼申し上げる。

 本日諸君の卒業を祝うために御家族の方々をはじめ、学校法人明治大学より、柳谷孝理事長、上野正雄学長はじめ役員の皆様、ならびに多くの来賓の方々が御多忙のところ、ここにお越しいただいた。心より御礼申し上げる。

 コロナ禍の影響で、最初の一年間は例年と比べると少し異なる学校生活を送ることになったが、この三年間、君達は、明治中学の生徒として勉学はもちろんのこと、班部活動や体育祭、紫紺祭、林間学校、移動教室、修学旅行などの各種行事を通して、本校生徒として、いかに思考し、行動するべきなのか、また他者への配慮や尊重を通して、「第一級の人物」としていかに大切な人間関係を構築するかを学んできた。同時に、本校の建学の理念である「質実剛健」・「独立自治」を基とした、明治への愛校心が諸君の心の中に次第に醸し出されてきていることを各自認識して欲しい。

 四月からの高校生活は、君たちが少年少女から青年成人へと成長するための大切な助走の時間である。様々な知識を吸収し、それらを個別な知識としてだけでなく、その幾つかを、あるいは総てを組み合わせ、総合的な知識として構築していくことを学んで欲しい。中学や高校での基礎的な学習は、次に控えている大学や大学院における専門教育の大切な基盤をもたらす。中等教育で身につける広範な知識は、大学進学後の飛躍のために、君達にとって大切なエネルギーとなるのだ。

 これからの時代、国家間の外交、経済、資源、環境問題など、これまでの経験や思考方法では説明や理解ができない複雑な状況に遭遇することになるであろう。例えば、ウクライナ問題、パレスチナガザ問題、トランプ大統領就任後の外交政策などの人道外交経済問題、環境関係では能登半島の震災や豪雨災害、大船渡の山林火災などがこの3年間に起きている。また昨年の猛暑も記憶に新しい。情報通信技術の更なる発展やAIの発達により、これまで存在していた価値が、一瞬にして喪失変貌する時代になるかも知れない。現在、ChatGPTに代表される生成AIの登場が身近なものとなって来ている。そのような中で、何よりも君達を成長させ、守ってくれるのは、しっかりとした基礎学力であり、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、また問題解決能力である。

 それらを身につけるためには、自然現象やあらゆることに関心をもち、知的探求を常に忘れずに生きていくことが必要である。そうした日々を過ごしていけば、更なる三年の月日が諸君を大きく育み、誰もが目を見張る素晴らしき青年に、君達を成長させるはずである。

 三年後の素晴らしき姿を期待している。
 明治中学校の卒業、おめでとう。


2025年3月19日
明治大学付属明治中学校

校 長 井家上 哲史