研究紹介

スマートグリッドにおけるインテリジェント予測・最適化の研究

[メガソーラー発電所] [大規模風力発電所]

電力ネットワークの設計と運用の最適化について研究しています。「スマートグリッド」とは、発電所から家庭や企業までのすべての電力供給・消費に関わる要 素をネットワークで結び、柔軟に常に最適な電力供給を実現する新しい電力網です。世界的に期待が高まる太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、気象条件 に著しく影響を受けるなど発電出力が不確定であるという一面がありますが、スマートグリッドが構築されることで、需要と供給のバランスが調整され、適切な 電力供給が実現します。私の研究室では、大規模で複雑かつ非線形性を有する電力ネットワークの挙動を最適に解くための手法として、人工知能的な手法、たと えば遺伝的アルゴリズムを使って解くとともに、高度な応用数学的な手法を使って解くことを考えています。このとき、絶対に停電しないということではなく、 できるだけ早く復旧するということを目指した現実的な解を求めます。21世紀において重要な課題である環境エネルギーに対して、局所最適に陥ることなく、 社会やそこに暮らす人々に目を向けた多目的最適化を実現する研究を目指しています。学生に対しては、国際学会において英語で論文発表をできるように研究指 導に力を入れていきます。社会からの期待が高まるネットワーク分野で活躍したいと考えるチャレンジ精神旺盛な学生の入学を期待しています。

森 啓之 教授
専門分野:スマート グリッド、
インテリ ジェントシステム

人や環境との相互作用により賢くなる知能ロボット

[人間の歩行に追従する移動ロボット] [人間-ロボットインタラクション実験の様子]

人間社会と同様にロボットの世界にもネットワークが浸透し始めています。ロボット自身がたくさんのセンサを持ちすべてを自分で考えるロボットではなく、イ ンターネットをはじめとした周囲のあらゆるネットワークやクラウドサービスなどと情報を共有して行動するネットワーク型のロボットシステムが実現できるよ うになってきました。たとえば人間に影響のない程度で壁や天井などといった生活空間にセンサやカメラを設置します。ロボットはネットワークを介して空間の センサで計測・処理された情報を取得し、自分なりに解釈してさまざまな知的な行動につなげます。このようにネットワーク化したセンサにより空間全体をセン シングし、ロボットの行動を支援することを「空間知能化」と呼んでいます。いずれロボットが、ネットワークに接続された、たくさんのセンサ情報を用いて、 人間の動きを観察してその行動を学習し、コミュニケーションをとっていく中で成長していく、空間知能化のさらに先の人間並みに賢く行動できるロボットを実 現することを目指しています。このようなロボットを実現するには、コンピュータネットワークを介した情報のやりとりだけでなく、周囲の人間や物体との関係 をインタラクティブにとらえる、多様な形態のネットワークを考えることも必要です。さまざまな要素がからみ合う複雑なシステムを理解して、ロボットを開発 していくためには、「本質的に何が問題なのか」ということを理解し、自ら問題を探してくる姿勢が大切です。

森岡 一幸 准教授
専門分野:ロボティクス

生活をより豊かにする高効率コンピューティング



[Twitterをセンサとして利用した食中毒発生源の調査]

コンピュータが急速に発展し、人間が振り回されている状態が今の世の中です。コンピュータを無駄なく賢く使い、解析処理やアプリケーションを高速化するこ とにより、コンピュータに詳しくない人でも気軽に使いこなし、自らの問題にフォーカスして創造的活動に集中してもらうための環境を構築する研究をしていま す。その取り組みのひとつとして「ビッグデータ」の解析があります。大量のデータを得ているものの、構造化されていないがゆえに使いこなせずデータは貯ま る一方でしたが、コンピューティングの発達により大規模データ解析が可能になりました。たとえばシンガポールでは数種類のセンサやカメラで交通量をモニタ リングし、詳細なデータを取得できます。それを解析することで、交通渋滞のシミュレーションが時間帯ごとに正確に計算できる。これもネットワークをデザイ ンする研究のひとつです。また、高速処理することでコンピュータの駆動時間を短縮できれば、電力消費を抑えられ環境にとっても有益です。このような人と社 会をつなぐ新しい知見を獲得し、コンピューティングによるスマートな社会の実現を目指します。

秋岡 明香 准教授
専門分野:並列分散処理、 大規模データ解析

生体分子ネットワークの構築

[膜小胞内のネットワーク] [金利期間構造シナリオのモンテカルロシミュレーション 2factor-HJMモデル]

細胞を基本単位とした生命は、DNA やタンパク質といった生体分子の複雑なネットワークを基盤として生命活動を維持しています。特に細胞の膜上にある膜タンパク質や脂質などの分子は、細胞の 内外にまたがる情報のやりとりや、エネルギー生産に関与する高度なネットワークを担っています。数億年以上もの時間をかけて作り上げられたこれらのネット ワークを対象として、本研究室ではデータ解析や人工膜上での模倣を行い、最終的には私たちの手で新規ネットワークの創出を目指すという、「人工膜上での生 体分子ネットワークの構築」を大きな研究テーマとしています。現在、生体分子のネットワーク解析は、さまざまな疾患のメカニズムや生命の進化・複製・コ ミュニケーションに関する基本原理の追究に広く活用されています。また、バイオ燃料の生産や汚染物質の分解を促進する微生物の作製等にも利用が期待されて います。コンピュータを用いた情報科学と生化学的な実験を組み合わせることで、人工的な細胞内に全く新しい振る舞いや機能を発揮するためのネットワークを 築く。生体分子のネットワーク研究には、そのような魅力があります。

佐々木 貴規 准教授
専門分野:生物物理学

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