Go Forward

学部長メッセージ

主体性を持って学び、自らの「問い」を発見・解決する4年間



 情報コミュニケーション学部における教育と研究を支えるのは、「社会の現在(いま)を捉える」、「多様で学域横断的なアプローチ」「創造と表現」という3つの大きな柱です。学際性と多様性を重視するのが本学部の特徴であり、学びの対象が複数の学問領域を横断するため、学生一人ひとりの興味・関心に基づいた学びが可能であるところが魅力です。カリキュラムもこの3つの柱に従って展開されています。多様な最先端の研究を紹介することから始まり、学びの基礎を固めつつ、段階的に学際的なアプローチの実践を可能とするようにカリキュラムが設計されているのです。主体的に問いを発見し、一定の解決を得るために履修科目をカスタマイズすることと、課題解決のために全学年に設置されたゼミナール科目を有効に活用することで成り立つ、重層的な「学びの場」の提供が本学部のカリキュラムの最大の特徴と言えるでしょう。
 私の研究領域は刑事法学。特に刑法の解釈を専門としています。理解を深めるうえでは、法律学に隣接する諸科学の成果を借りながら、いくつもの問いを立てることが必要です。このように一つの専門的なテーマを考える過程のなかでさえ、多角的なものの見方が求められます。国際紛争、環境問題、食糧問題、さまざまな格差ヘの対応、凶悪犯罪の発生など、現代社会に生起するあらゆる事象が単一原因によるものではないのは当然です。事象が複雑であればあるほど、一つの学問領域からだけでは、問題を分析し、一定の解決を得ることは不可能であるといって良いでしょう。だからこそ「社会の現代(いま)を捉える」ことを標榜する情報コミュニケーション学部で学んだ学際性・学域横断的な思考の枠組み、あるいは方法論にしたがったアプローチが現代の諸課題の解決に寄与すると私は考えます。
 しかし、学際性を目指すのは容易なことではありません。学際的に学ぶとは単に隣接・類似しているように見える複数の科目を履修することではないのです。我々が講義・ゼミナールで提供したあらゆる基礎論から、それぞれの学生が自らの問いのもと、重複すると考えられる問題領域を見出す知的な営み・実践こそが、情報コミュニケーション学部が標榜する学際性なのです。皆さん自身の学びの深度に応じて、問題領域は狭いものにとどまるかもしれませんし、無限に広がるかもしれません。だからこそ「学びにおける主体性」を自覚していただきたいと強く念願しています。そして皆さんの主体的な学びを支えるため、本学部ではアクティブ・ラーニング、アクティブ・タームの実質化を推進します。既存の「世界のキャンパスから」を含めた、海外大学と連携した教育プログラム・学生交流プログラムの拡充も図ってまいります。
 ぜひ情報コミュニケーション学部で多種多様な学びから、自らの「問い」を発見してください。問いの解決を目指して主体的に学ぶ4年間で得た糧は、きっと社会に出てから活躍する素養を育むことに繋がるはずです。

情報コミュニケーション学部長 阿部力也