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高2生徒 アスペン・ジュニア・セミナーに参加

2022年03月31日

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 一般社団法人日本アスペン研究所の主催する第14回アスペン・ジュニア・セミナーに本校生徒2名が参加し修了証を頂きました。

 このセミナーは、将来を担う高校生を対象にしたプログラムでで、「古今東西の古典」をテキストに、参加者同士の「対話」を通して、「より善く生きるとは」、「何のために学び、働くのか」、また「大切にしたい価値」といった人生にとって重要な課題について考えることを目的としたものです。セミナーは2021年10月から2022年1月にかけて、オリエンテーションを含めて計4日間、オンライン形式で実施されました。
 
【第14回アスペン・ジュニア・セミナーに関するニュース】
 
 参加した伊東さん(高2)と岡前さん(高2)は他校の生徒との対話を通して大きな刺激を受けたようです。このような機会を与えていただいた日本アスペン研究所の方々に心より感謝いたします。セミナーに全日参加した伊東さんに詳しくお話を伺いました。
 
・どのようなきっかけでセミナーへの参加したのですか。
 実は、先生からセミナーについて初めて聞いたときにはあまり興味がありませんでした。しかし、現代文の授業で『山月記』や『こころ』が取り上げられたときに、近代文学から考え方や思想を読み取ることが面白いと感じるようになりました。そして、アスペン・セミナーの「古典」から何かを学ぼうというコンセプトに惹かれて参加を決めました。
 
・課題の中には難しいテキストも含まれていますが、大変ではなかったですか。
 『おくの細道』、『形而上学』、『旧約聖書』など全部で6本の課題が出たのですが、学校のテスト期間と重なる時期もあったので読み解くのが大変なこともありました。内容や歴史的背景について現代文の先生や世界史の先生に相談したり、関連の論文などをいただいたりして勉強しました。ただ、作品と向き合う中で様々な発見もありました。
 
・セミナーに参加して印象に残ったことを教えてください。
 オルテガの『大衆の反逆』が課題テキストだったときに、他者との対話を通して新たな気づきが生まれるという貴重な体験ができました。この古典作品のなかに多様性を認めるという現代にも通じる視点を見出せたことがとても印象に残っています。私がこのことに気が付けたのは、セミナー当日に他校の方から出た「少数派がこのような目で見られることについてどう思いますか」という問いがきっかけでした。実は、私もこのとき「ヨーロッパの危機」における「大衆」の解釈で、他の人たちが気付かなかった点を指摘し、みなさんから「面白い」と言ってもらいました。このような様々な気付きを与え合う対話ができたことはとても有意義なものでした。
 
・セミナーに参加したことで自分に変化などを感じましたか。
 学校の授業では問題設定があるなかかで考えることが多かったように思いますが、このセミナーでは、テキストを読んで自分の思ったことに対して素直になるというがとても斬新でした。最初は戸惑いましたが、文学と対話することで、自分自身の考えを整理できたし、他人を理解しようする力も身に付いたように感じます。
 実際に、セミナーの後、授業などで話し合いや討論をするときに、周りの意見を鵜呑みにするのではなく、他人の意見を尊重しながらも自分の意見をしっかりと伝えられるようになったと思います。今後、この経験を異なるバックグラウンドを持った人たちとの対話に生かしていきたいと思いました。
 
・今後、セミナーで得た学びをどう深めていきたいですか。
 セミナーで読んだものの中で最も印象の残ったのが『大衆の反逆』でした。そこで、3学期の期末考査が終わった後、著作を手に入れ全文を2度読みました。まだまだ理解しきれていない部分がたくさんあるので、春休みに精読したいと思います。著者のオルデガは政治的意味合いを持たせないでほしいと述べていますが、私にとってはオルテガとの出会いは政治や政治思想について深く考えるきっかけになりました。3学期には、バーリンの「自由」について調べたり、倫理のレポートで現代政治の投票について考えたりしました。今後も様々な機会で学びを深めていきたいと思います。

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