トピックス
ニュース
キャリアクエスト講座(裁判傍聴)
2025年10月15日
- 中・高
- 教育・進路
明治高校・中学校ではキャリア教育の一環として、OB・OGの専門家や明治大学教員などにご協力いただき、キャリアクエスト講座を実施しています。9月29日(文化祭代休日)と10月1日(都民の日)がともに平日であったため、両日、本校卒業生の弁護士の先生たちの引率による裁判傍聴会を開催しました。
9月29日は、「司法の仕事見学会」として主に中学生が親子で参加し、10月1日は高校生を対象として19名の生徒が参加しました。
9月29日は、「司法の仕事見学会」として主に中学生が親子で参加し、10月1日は高校生を対象として19名の生徒が参加しました。

9/29 キャリアクエスト講座(司法の仕事見学会)
9月29日、キャリアクエスト講座(司法の仕事見学会)を実施しました。参加は中1年2組、中2年2組、中3年1組、高1年3組の合計8組16名(裁判傍聴初参加の親子セット)と、世話役高2・1名、高3・1名でした。本校の同窓会に当たる総明会の法曹部会から4名の弁護士の先生が参加してくれました。今回は傍聴後に裁判官への質問タイムが設定されました。
事前に3つの傍聴事件についての情報が得られたため、参加者は情報に基づき希望の事件を一つ選択し、その裁判を傍聴しました。その後、東京地裁1階104号法廷(傍聴抽選が行われる最大法廷)で裁判官対話を実施した。担当裁判官は判事補として採用されたばかりの初任者でしたたが、中学生からの素朴な質問に悩みながらも率直に応えてくださる姿が印象的でした。「裁判官ならでは職業病は?」に「実際のところは腰痛(座り仕事メイン)」、「好きなものは?」に「FC東京のファンで前日も観戦」などと気さくに話して場の雰囲気を和ませつつ、「裁判官の魅力は?」という問いに対しては、「(特定クライアントがいないので)主体的に判断できる」ことを挙げてくれました。また、「被告人」や「被害者」に心寄せすぎてしまい、時に涙しそうになりつつ、中立性の維持を心がけていることなど、裁判官ならではの苦悩も率直に話してくれました。保護者の方々も裁判傍聴は初めてということで、感慨深げな様子でした。
最後のアンケート記入時間は会議室の借用時間を過ぎてしまい、ほとんどの参加者がロビーに移動してアンケートの続きを記入して帰るほど、熱心に取り組んでくれました。

10/1 キャリアクエスト講座(裁判傍聴編)
10月1日、キャリアクエスト講座(裁判傍聴編)を実施しました。参加は高3・7名、高2・7名、高1・5名、春期裁判傍聴が実施できなかったため、ほとんどが裁判傍聴に初参加でした。総明会の法曹部会から4名の弁護士の先生が引率をしてくれました。この日も裁判官との質疑応答機会のある企画のため、事前に知らされた3事件から希望する事件に分かれて傍聴しました。最も傍聴者が多かったのは麻薬及び向精神薬取締法違反の傍聴事件で、高3を中心に9名が傍聴しました。証言台に立った被告人が語る言葉やその裏腹にも見えるような言動はドラマのワンシーンのようであり、普段自分が生活する世界との乖離に、生徒たちは強い衝撃を受けていました。今回は3事件とも、人定質問から判決までを見ることができ、また第1・第3事件では裁判終わりに裁判官が傍聴生徒に解説をしてくれました。その後、7階722号法廷(裁判員裁判用法廷)に移動し、第1事件の裁判官との質疑応答でした。47名の希望者のなかから事前質問により選抜された参加者19名はいずれも意欲的で、傍聴した事件で各々が気になった点を次々に質問していました。さらに「裁判所業務におけるAI利用の実態は?」、「世論と裁判所判断の乖離について」など裁判官も舌を巻くような質問を投げかけ、またとない学びの機会を活かしていました。明治高校ではありませんが付属校出身のベテラン裁判官は、「付属校ならではの高校生活を謳歌することの重要性」、「学習でも遊びでも様々なものに興味をもつことが大切であること」など、付属校教員が伝えたいことを生徒に伝えてくれました。