商学部

在学生向け

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ゲストスピーカーによる特別授業(11月26日実施)

実施日:2015年11月26日(木)
実施場所:駿河台キャンパス 1103教室
科目名:経営分析論B
ゲストスピーカー:北 健一(フリージャーナリスト)

実施内容:
 フリージャーナリスト、北健一氏は、シャープな切り口で、企業のあり方について、分析し、社会的な問題提起を行っている。今回、お願いしたテーマは、JALの再生について、財務情報だけでは取り上げることのできないさまざまな問題、①再生計画と整理解雇、②安全性の確保と収益性の確保の関係、③民間企業再生への政府の関与のあり方、④航空業界のもつ高度の公共性と株主主権論について、講義をお願いした。
 まずJAL再生の概要と財務的到達点を確認した。企業再生支援機構出資3500億円、金融機関による債権放棄5215億円、ダウンサイジング(機材、路線、人員、ホテル事業の売却)という再建計画の枠組みと、再生の結果として、初年度より営業黒字に転換し、その後増益が続いてきたこと、再上場の結果、支援機構は当初の出資額を倍する金額を回収したこと、などである。
 しかしながらこの過程で、「利益なくして安全なし」という経営トップの発言やこれに呼応する安全を危うくするような事件が起きたことも紹介があった。また競争企業であるANAの業績を上回る高収益企業となったことについては、問題も指摘されていることが紹介された。
 次に、こうした極端な業績回復は、人員削減と人件費削減によって可能となったという側面が取りあげられた。特に、再生計画では4万8000人から3万2000人という削減目標が掲げられていたが、その削減目標を上回っているにもかかわらず、行われた整理解雇については、疑念が生じる。また解雇の基準となったのが、年齢基準とかつて病歴があるという人権としても問題のある基準であった。北氏は、アメリカでベテランパイロットによって重大事故が回避された「ハドソン川の奇跡」を取り上げて、乱暴な人員削減について警鐘を鳴らした。
 経営数値によってのみ企業を判断しがちになってしまう本講義の狭隘さは常々問題があることは理解しているが、外部のジャーナリストによって提示される現実に起きている事実や異なる視点で判断することの意義を、学生たちには、新鮮な感覚で受け止めてもらうことができたと考えている。


                                                     
                                                          野中 郁江(科目担当教員)

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