商学部

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ゲストスピーカーによる特別授業(6月7日実施)

実施日: 2016年6月7日(月)10:40~12:10
実施場所: 駿河台キャンパス 1093教室
科目名: 企業と環境問題

テーマ: 神岡鉱業はイタイタイ病にどう対応したか
ゲストスピーカー: 渋江 隆雄 氏(神岡鉱業(株) 元・社長)

実施内容:
2013年12月、イタイイタイ病の原因企業である三井金属と被害者団体は全面解決に関する合意書を交わした。特別授業には、被害者とともに徹底した環境対策に取り組むことで和解への道を開いた三井金属の子会社である神岡鉱業の元社長の渋江隆雄氏に来ていただいた。神岡鉱業では亜鉛や鉛の採掘を2001年に休止し、輸入精鉱の製錬や鉛リサイクルの事業を展開している。
イタイイタイ病はいまも苦しむ患者さんがいる上、厳しい認定基準で患者が切り捨てられる不認定問題は残るし、33年かかった土壌復元も完全ではないなど、水俣病などと同様に、公害問題とは完全に解決できるものではないことを私たちに教える。
一方、裁判後の発生源対策に関するイタイイタイ病の経験は、公害を発生させない企業の創造にむけて、被害者団体と企業がともに40年かけて取り組んだものとして世界にも例がない注目すべきものであろう。
三井金属は患者救済と汚染農地の土壌復元に加え、発生源である神岡鉱業の工場への被害地域の住民、研究者、弁護士などの毎年の立ち入り調査を認めてきた。被害者側と一体で取り組んだ環境対策では、神通川のカドミウムレベルを自然界レベルに戻すという厳しい目標を掲げ、排水処理・排煙対策・土壌中の重金属起源の汚染水対策に加え、非常用の処理施設の設置などを通じて、目標を達成した。
裁判直後の立ち入り調査では被害者団体と社員の間で怒号の飛び交う張りつめた雰囲気もあったが、敵対関係、不信の時代を経て、相互理解がすすみ、やがては緊張感ある信頼関係が築けたそうである。被害者団体という厳しい監査人のおかげで、公害を出さないための不断の努力を続けることができたし、これからも続けるという。
最後に取り上げられたのは、渋江氏が神岡鉱業を退社後に手掛けたチリのCaserones銅鉱山の開発の事例である。蓄積した日本の技術や環境対策の姿勢を海外で活かした徹底した鉱山での環境管理や、地元への社会貢献などの様子が紹介された。
 
                                                           森永由紀(科目担当教員)

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