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ゲストスピーカーによる特別授業(6月5日実施)

実施日: 2017年6月5日(月)15:20~17:00
実施場所: 和泉キャンパス 4番教室
科目名: 日本古典文学A
テーマ: 『蜻蛉日記』の恋
ゲストスピーカー: 斎藤 菜穂子 氏(國學院大學兼任講師)
実施内容:
 6月5日(月)4限、和泉キャンパス第4教室にて「『蜻蛉日記』の恋」と題した特別講義を行った。講師は、國學院大學兼任講師斎藤菜穂子氏である。斎藤氏は『蜻蛉日記』研究——その表現と形成——』(武蔵野書院、2011年4月)を上梓し、「『蜻蛉日記』兼家の御嶽詣——安和の変後に求められた加護——」『中古文学』(2016年12月)を発表するなど、幾続と論文を世に出している著名な研究者である。
 斎藤氏の講演のために駿河台キャンパスからわざわざ聴講しに来た学生もおり、普段の授業より出席率も高かった。
 斎藤氏が20年以上に及んで『蜻蛉日記』研究に携わってきたことを述べると、会場からは驚嘆の声が漏れた。「結婚してから恋がはじまる」、これが今回の授業のキャッチフレーズであり、学生も前のめりで聞き入っていた。斎藤氏は、平安期の婚姻形態や道綱母の立場、藤原兼家の血脈や官職などの作品の背景を丁寧に説明された上で、『蜻蛉日記』序文や道綱母と藤原兼家との贈答歌を中心に最新の知見を披露された。
 最後に質問タイムを設けて質疑応答の時間を取ったところ、学生たちは様々な質問を投げかけ、斎藤氏は真摯に答えてくださった。リアクションペーパーにも斎藤氏との出会いを感謝するとともに、「『蜻蛉日記』を最後まで読んでみたくなった」と感想を書いた学生が大勢いた。
 ご多忙の折にもかかわらず、快く講義を引き受けてくださった斎藤氏に心より感謝申し上げたい。また、学生からの質問に対して、内容が高度であると斎藤氏から褒めていただいたことが、コーディネーターとして大変有り難く感じた次第である。

中村 成里(科目担当教員)