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ゲストスピーカーによる特別授業(12月11日実施)

1.実施日    
2018年12月11日(火)10:50~12:30

2.実施場所
駿河台キャンパス リバティタワー 1133教室

3.科目名
機関投資家論

4.テーマ 
投資の分析手法の比較

5.ゲストスピーカー
中村 貴司 氏(東海東京調査センター)

6.実施内容
 東海東京調査センターのシニアストラテジストの中村貴司氏により、「投資の分析手法の比較」と題する講義を行って頂いた。
 まず、ファンダメンタルズ分析であるが、ファンダメンタルズ分析は、国や企業などの経済状況を表し、経済の基礎的条件などと訳されている。ファンダメンタル分析とは、マクロ経済動向、企業業績動向などを予測したうえで、株価の理論価値(ファンダメンタルズ価値)を計算し、投資判断を下す手法。例えば、理論株価を計算し、割安株(バリュー株)などを発掘して投資を行う。
 行動ファイナンスとは、ファイナンスの分野に心理の概念を取り入れ、実際のマーケットにおいて、理論と現実のギャップを埋めるため、伝統的なファイナンス理論(ファンダメンタルズ分析)への対立概念として登場した理論である。
 行動ファイナンスによれば、株式市場は非効率であり、株価はマーケット参加者の感情に左右され、合理的とは言えない意思決定(限定合理性など)により、適正価格を逸脱したモメンタム(勢い)やバブルが生じると説明している。行動ファイナンス理論は、現代ポートフォリオ理論など伝統的なファイナンス理論の前提となっている効率的市場仮説を真っ向から否定する理論である。
 テクニカル分析とは、株価チャート(株価の時系列の値動きを表す線)など、株価データのパターンをもとに分析し、相場の先行きを予測する手法である。テクニカル分析では、株価の形成は人の行動、価値観、心理学を反映したすべての市場参加者の集合的な結果であり、そこにパターンが読み取れるという考え方に基づいていると言われている。一般的にファンダメンタルズ分析はどの銘柄が財務面などから投資対象として適格かどうかを判断するのに優れており、テクニカル分析はどのタイミングで売買すればいいのかを判断するのに優れているとされる。

三和 裕美子 (科目担当教員)