先端数理科学研究科ネットワークデザイン専攻の博士前期課程2年 小川彰太さん(森啓之研究室）(受賞時1年）が電力技術懇談会において田村記念賞を受賞しました。
この賞は、米国IEEE(米国電気電子学会)と欧州CIGRE(国際大電力システム会議)中心に国際的な電力システム研究において卓越して活躍した田村康男先生（早稲田大学教授）の研究業績にちなんで設立されました。その目的は電力技術および電力システム技術を研究する学生研究者の海外における論文発表を奨励し、その研究活動を助成することです。授賞式は2019年3月15日（金） に早稲田大学西早稲田キャンパスにて行われました。
電力技術懇談会とは、早稲田大学西早稲田キャンパスに設置された早稲田大学理工総研プロジェクト研究の下で法人会員37社(エネルギー産業)から構成された電力システム研究に関するコンソーシアムです。今回、受賞対象となった論文は、“An Evolutionary EM Algorithm for Distribution System State Estimation”（2018年6月米国Idaho州Boiseで開催されたIEEE（米国電気電子学会）PES（電力・エネルギー部門） 2018 International Conference on Probabilistic Methods Applied to Power Systems (PMAPS 2018)で口頭発表した6頁の論文）であり、今回、その論文が2018年IEEE PES Japan Joint Chapterを受賞したことを称える賞である。論文の内容は従来の状態推定法とは異なり、配電系統状態推定法を隠れ変数モデルとして表現し、進化的計算とEMアルゴリズムを用いて解くことを提案した。この手法により、配電系統状態推定では未解決であった観測集合の冗長度1未満の状態推定問題を解くことに成功した。
