Go Forward

多様な視点で問い続けよう。

博士後期課程
教養デザイン専攻 「文化」領域研究コース 2024年3月修了
応 宜娉

指導教員:池田 功 教授

 この三年間、誰もが疫病の恐怖や混乱を経験してきたことでしょう。部屋にいるしかなかった自分といかに向き合うのか、人間の健康に対して誰が責任を負うべきなのかという、AIには答え切れない問題が浮上し、そこでは文学、哲学、歴史など多様な視点を合わせての思考が必要となります。教養デザイン研究科では、幅広い授業を受けることができ、そうした多様な視点により議論を深めることができます。
一つの問いを多様な視点から照らしたならば、新たな知見が出てくるはずです。私自身の研究テーマは、中国における日本文学者石川啄木の受容ですが、そうした受容の問題を思想史、交流史からアプローチしたとき、日本と中国の思想の共振の歴史も見えてきます。皆さん、この学び場で研究してみませんか。
 
研究室紹介
 池田先生の専門は、日本文学と文化ですが、特に啄木を中心とする日本近代文学に造詣が深いです。コロナ禍において、先生が行っている「感染症文学」研究の魅力を改めて感じています。先生はドイツ、韓国、インドでの教育と研究経験を持っており、演習では、質問や意見を自由にすることができる雰囲気があります。

過去を学ぶことは「現在」をより深く理解することです

博士後期課程
教養デザイン専攻「思想」領域研究コース 3年
銭 海英
指導教員:本間次彦 教授


 本間次彦教授に指導を仰いでいます。先生のご専門は中国哲学で、主に帝政後期中国を対象に、その思想状況を多角的に分析し研究されています。先生は、思想史は思想史内での文脈で十分に叙述できると考えられています。このような研究方法に、私は、新しい時代性と魅力を感じております。

研究室紹介:
 日本に留学する際、私は博士後期課程にまで進学するとは考えていませんでした。しかし、博士前期課程で研究するうちに、学問の面白さに惹かれ、後期課程への進学を志しました。
  私は、清末の文人・外交官である黄遵憲を通して、その激動の時代に興った百花斉放の思想を研究しております。当時は、西洋から到来する近代化の衝撃を前に、儒学に対する懐疑と反省、さらに伝統的儒教の再活用の可能性が盛んに追究されました。この時期の一連の思想運動を、私は、2000年代以降の中国で官民一体の下に奨励される、伝統儒教思想の復興と関連づけて解釈することができると考えています。つまり、現代中国を深く理解するためにも、今もなお、過去を参考にしなくてはなりません。
 柄谷行人は、「歴史は反復する」と指摘していますが、反復とはただの繰り返しではなく、反復しつつ、しかも、変わっていくことです。その意味で、過去を学ぶことが深く現在を理解することにつながっていくのです。
 教養デザイン研究科は、現代社会を幅広い視点からとらえ、新しい知のあり方を構想しようとしています。大学院に進学を考えている皆様、ぜひ教養デザイン研究科で一緒に頑張っていきませんか。

スポーツと真摯に向き合う

博士後期課程
教養デザイン専攻「思想」領域研究コース 2年

髙部厳輝
指導教員:釜崎 太  教授
 

   私たちは常に多くの社会問題を抱えて生活をしています。しかしその問題に向き合う余裕がないままに時間が過ぎていくこともあります。さらにはその問題を認識していない場合や、見て見ぬふりをしてしまう場面も多々あります。それはスポーツやサッカーの世界でも同じことです。
 私の研究対象は、社会問題を解決しようとするサッカークラブの取り組みです。日本のサッカークラブは社会問題の存在を認識し、その解決に向けて取り組みを始めています。それらの効果や仕組みを明らかにすることで次への課題と提案を行っています。
 大学院では様々な視点でスポーツやサッカーが抱える問題を指摘してもらえます。それは研究者として教養を広げることのできる魅力的な空間となっていることに間違いありません。

研究室紹介
 釜崎先生は身体教育論・ドイツスポーツの専門家でありながら、スポーツや教育に関する幅広い知識を持っています。それらを私たち院生に分かりやすく、さらにそれぞれの研究に寄せながら話をしてくださいます。ゼミはそれらをもとに院生の中で議論を交わしながら、それぞれの研究に取り組むことができる空間です。

視野を日常的に広げていく

博士前期課程
教養デザイン専攻 「文化」領域研究コース 2024年3月修了
陳 郁文

指導教員:鈴木哲也 教授

 今のグローバル社会に生きるために、どんな能力を持つべきかに興味を持ち、日本人大学生の異文化コミュニケーション能力について論文を執筆しました。文化コースに所属し、多文化共生社会における異文化理解を中心に、実際どんな困難や課題があるのかを検討し、それらを乗り越えるための教育プログラムを構築することに力を入れました。
 率直にいうと、研究生活はとても大変でした。研究の方向性や進め方や仮説の検証などで苦労したり悩んだりすることが沢山ありました。けれど、そのプロセスを楽しむことで、様々な視点や経験を得ることができました。本研究科がカバーする研究分野は幅広くて、自分が関心を持つ分野で学術的な専門知識を勉強しながら存分に研究を進められると思います!

研究室紹介
 鈴木先生は言語社会学専攻で、言語と言語行動が人間、人間関係、社会にどう影響を与えているかを中心に研究をしています。積極的に学生たちとコミュニケーションを取ってくれるので、自由に発言でき、アットホームな環境です。研究でやってみたいことがあれば、先生はいつも全力でフォローと指導をしてくれるので、心強いです。

多角的な視点や教養を育成できる環境

博士前期課程
教養デザイン専攻「平和・環境」領域研究コース 2年

宮城 蓮
指導教員:本間次彦 教授
 

 私はトルコの民間軍事会社の活動について研究しています。大学の卒業論文では同社の活動実態について執筆しましたが、設立経緯やイデオロギー的背景に関してより深く研究をしてみたいと考え、進学を志望しました。教養デザイン研究科は「思想」「文化」「平和・環境」の3つのコースからなり、様々な研究領域を持つ先生方の授業を履修する事が出来ます。大学院の授業は少人数で行われ、先生や他の院生との濃密な議論を通じて、教養を深める事ができます。留学生も多く在籍しており、多様な問題関心を持つ院生の仲間たちとの交流を通じて、新たな知識や価値観を学ぶこともできます。自身の視野を広め、学際的に学ぶことができる環境。本研究科にはそれが用意されています。是非とも進学を考えてみてください。

研究室紹介
 先生の研究分野は国際テロ研究や比較紛争論です。授業内では院生の興味、関心にあわせた文献を読み込み、不明点などに関しては先生が知識の補足をして下さります。研究報告では先生やメンバーからの指摘、アドバイスを頂く事で有意義に研究を進める事が出来ています。
明治大学大学院