「教養デザイン研究科の魅力」
教養デザイン専攻 「倫理・哲学・宗教」領域研究コース
2009年度入学
篠原 純一郎(しのはら じゅんいちろう)
私は「倫理・哲学・宗教」コースに所属し、アメリカの都市研究家であるジェイン・ジェイコブズの思想から都市とは何かというテーマを研究しています。
研究活動内容ですが、修士1年次は、発表、ディスカッション、フィールドワーク等を行う講義と、修士論文の準備作業が中心となり、2年次から、本格的な修士論文の執筆作業に専念していくことになります。
私が感じた当研究科の最も大きな魅力は、3つの領域研究コースから構成されているということです。所属コースだけでなく、他コースの講義も相互に履修するカリキュラムとなっているので、所属コースの知識を高めるのとあわせて、他領域の知識もしっかり習得することができます。これは、幅広い知識にふれることができ、さらに自身の研究を進めていくうえでも非常に有益であるといえます。例えば、私の研究では、「文化」コースの講義から、都市の文化事業という問題を学んだことで、都市のあり方を考察するための新たな視点を得ることができました。そして、3つのコースが設置されているため、研究テーマ、知識、バックグラウンドが様々な院生と共に学ぶことになります。これは、研究の面での刺激だけでなく、自分個人の価値観を広げることにもつながってきます。また研究活動は孤独な作業でもあり、時に思い悩むこともありますが、こうした同じ研究科の仲間の存在は自身の大きな支えとなってくれるはずです。
最後にメッセージを。大学院進学を考えられているみなさんは、「なぜ大学院に進学するのか」を自分なりに考え、進学の意味、目標を明確にしておいたほうがよいと思います。それは大学院生活を一層有意義にすることにつながり、そして修士修了後に成長した自分と出会うことにつながってくるはずです。明確な目標をもち充実した大学院生活を送ってください。
「研究したい方へ」
2009年度入学
佐々木 菜緒(ささき なお)
教養デザイン研究科は、その名称からも分かるように自分の研究分野以外についても広い知識と視野を得られる場所です。もちろんだからといって、各自の研究が浅くなることは決してありません。むしろ逆で、自分の研究していることが広い目でみてどの位置にあるのか知ることができます。まったく関係のないと思っていた分野が、実は研究を進めていく上で貴重な助言になることが多々あります。例えば、私は小畑精和先生の指導の下でケベック文学のある作家について研究していますが、所属する「文化」領域研究コースの中で専門性を高めると同時に、他コースの「倫理・宗教・哲学」と「平和・環境」の講義を通して、普段読んでいる文献などからは思いつかないような新鮮なアプローチ方法を得ることができます。これは、講義間に限らず多様なテーマをもった他の大学院生同士の間でも起こることで、おかげで「なぜケベック文学なのか」と日々考えさせられています。
入学後強く感じていることですが、専門分野以外の講義の中で、内容は当然のことながら、大切なのは自分と違った考え方や見方を認識すること、つまり単に専門分野と区別するのではなくどうつなげていくかなのだと思います。外側を意識した研究姿勢はこれからさらに求められることだと思いますし、教養デザイン研究科はまさにその姿勢を目指した場所です。しかし、このような環境で研究するためには、やはり「何がしたいのか」を明確にしておかなければ右往左往してしまいます。テーマがはっきりしていることがまず必要ですが、少なくとも「研究したい」気持ちが曖昧でない限り、教員の方々をはじめ大学側は最大限の力を貸してくれます。
「志を研く機会を共有しましょう」
教養デザイン専攻 「文化」領域研究コース
2009年度入学
玉本 太平(たまもと たへい)
法学部卒業後、観光業界に身を置き50歳を過ぎていた私は、60歳前には再度自分の社会経験に基づいた研究をして、再び業界に入りたいと考えていました。人生は60歳からが本番!と檄するものがあり、そのためには新たに準備するものがあると思っていたのです。観光庁の発足もあり、「地域振興」が私のキーワードになっていました。そのような折に、教養デザイン研究科の存在を知り、夏の入学説明会に参加、秋期受験、そして憧れの学(院)生となりました。
私は、3つある領域研究コースの一つ、「文化」に属しています。他の領域研究コースの授業も密接に関連しています。観光は地域の歴史、文化、宗教などに基づき、環境問題にも波及します。授業で配付されるプリントなどを基に、教授の講義を受けてからディスカッションを行なう「特論」の授業、そして自分の最も研究したいテーマに関することを史資料・文献を通じて研究し、フィールド・ワークで追求したことを発表する「演習」の授業があります。
「特論」と「演習」をはじめ、指導教授から受けるアドバイス、数多くの参加機会があるセミナーやシンポジウムを経て、1年次後半には修士論文の構成と概要をまとめることになります。入学前に提出した私の地域振興に関する「研究計画」は、入学前には予期しなかった『記紀』や『万葉集』なども繙かなければならない方向に進み、学び研究する苦労と喜びを味わいながら論文完成を目指しています。
当然、史資料・文献を読むことが研究の基本であり、本校が誇る図書館を大いに利用しています。
学部卒業後に引き続き本研究科に入学する人も多いですが、社会経験を重ねた方がこの研究科で学び研究することを諸手を挙げてお勧(薦)め致します。本研究科で共に琢磨し、志を研く機会を共有しましょう。
「大学院進学に興味・関心のある方へ」
2009年度入学
小針 慎也(こばり しんや)
学部生時代には、正直就職活動をするか、大学院に進学するかで迷っていました。また、卒論では「県知事選における地方紙と全国紙の内容分析」をテーマに書いたのですが、大学院で研究したいテーマというのが、卒論のテーマや領域と全く異なるものであったので、2年間という限られた時間のなかで研究が成り立つのか、という不安もありました。しかし、自分で考え、追求して自分なりの答えを出したい、という思いから大学院進学を決意しました。
現在は、「日本におけるフェアトレード普及の諸条件とは何か?」というのをテーマに研究を進めています。フェアトレードとは、貿易の過程で児童労働や低賃金で搾取を強いられている、生産国の零細生産者や貧しい労働者と貿易を通じて、生産者の自立した経済的、社会的発展を実現していこうとするものです。現在は、フェアトレードは、慈善活動ではないので、ビジネスとして成立させ、持続的なものにしていくにはどのような条件が必要となるのか、あるいはビジネスにするべきかなどに重点をあて研究をすすめています。
1年次には、自分の研究コース以外にも、他コースの講義の履修が義務づけられているので、自分の研究にかける時間が足りないのでは、という不安がありましたが、多彩な研究領域をもった、各学部に属している教授の先生方がいらっしゃるので、自分の研究領域に縛られず、様々な学問分野からのアプローチや、新たな切り口を発見する場としても、充実した環境にあると感じました。
大学院の講義は、ほぼすべて少人数で行われるので、積極的に議論に参加していくことで、自分の問題意識を広げていくことが求められます。また、演習では、調査・分析・報告を通じて、修論を執筆する上での必要な基礎を築き、2年次に論文執筆に専念することになります。1年次の、講義や演習を通じた修論執筆のための準備、基礎作りは、卒論と異なるテーマを扱う私にとって、貴重な時間となりました。その他にも、実際にドキュメンタリーなどの制作者の方をよんで映像を使った講義やディスカッションをしたり、2010年度以降も新たなプログラムが用意されているので、明確な問題意識をもち、追求したいテーマをお持ちの方にとって、充実した環境が待っているのではないでしょうか。
「講義以外の研究機会も充実」
教養デザイン専攻 「倫理・哲学・宗教」領域研究コース
2008年度入学
澤木 智恵子(さわき ちえこ)
私は、倫理・哲学・宗教コースに所属し、金山秋男教授のもとで「宮沢賢治文学と宗教」について学んでいます。 入学の動機は、最近の酷い事件に、かつてない日本人の心の荒廃を感じ、一体いつから、なぜ、日本人はこんなに変わってしまったのかと心痛めたことでした。明治期のお雇い外国人が残した来日記には、日本人の精神性が絶賛されています。今日と同じ日本人とは信じられないほどです。明大文学部時代にもっとも感動したのが宮沢賢治でした。いま、日本人の誇りとも思える賢治の文学や人生、宗教観を通して、日本人とは? について考察しています。
具体的には、賢治の文学作品研究と並行して、日本人の精神風土への理解を深めるために、民族信仰や神道、仏教や「いのち」について勉強しています。専攻分野の講義は発表中心です。教授の指定した書物を読解し、ディスカッションのレジメ作成、レポートの発表などに取り組んでいます。さらに、研究課題に沿ったフィールド・ワークや、基層文化・死生学・日本古代学・国際熊野学会など研究機関による講演会が盛んですので積極的に参加しています。私の修士一年は還暦の年でした。学びながら、来し方行く末に思いを馳せ、折り返し後の人生をどう生き、どう締めくくるかを考える日々でもあります。諸先生の熱心で丁寧な指導や、意欲に満ち記憶力抜群の学生諸君との意見交換を励みに、充実した学生生活を送っています。
最後に。大学院においては、ことに積極性が大切で、自ら求める活動こそが研究成果を高めます。学問する喜びは「発見」にあり。意欲をもち、可能性を信じ、発見の喜びのなかで、素晴らしい大学院生活を送ってください。
「教養デザイン研究科に興味を抱かれた方へ」
2008年度入学
蓮見 洋平(はすみ ようへい)
入学動機
当初は、大学院進学は考えていませんでした。就職活動を行い内定も頂いていました。でも、どこか社会や将来への疑問を抱え続けていたのも事実です。卒論で「同性愛」という社会的にSensitiveな問題に取り組んでいく中で、人間の価値観が場所や時代によって異なる事実に対して非常に興味を持ちました。そこでこの興味関心を深めることは、長い目で見たら自分にプラスに働くのではないかと思い、院進学を決めました。
研究活動内容
1年次は、講義や発表・修士論文への準備などが主な内容です。2年次は、研究科の履修モデルでは講義はあまり取らず、修士論文執筆に専念するという形になっています。個人的に感じた学部との大きな違いは、発表とディスカッションの2点です。どちらも「自分の考えていることをいかに伝えるか」ということが重要なので、自然とそういうことを意識するようになってきます。また、それに付随して情報収集・分析を行い、ディスカッションを通して異なる意見に出会う中で、物の見方も一年を通して変わってきました。現在、卒論時に興味を抱いた人間の価値観を主軸としながら、ユーモアの視点から人間社会を考察するという試みを行っています。
受験生へ
というと本来なら入りたくなるようなことを書くのが筋だと思いますが、あえて現実的なことを書こうと思います。まず、修士を出た後のことを考えましょう。2年間という時間は短いです。就職活動では、学部生との違いを感じさせることが出来なければ、余計な勉強をしてきた人間としか見てもらえないことも多いでしょう。博士課程に進むのであれば、ポスドクの問題について調べてみてください。博士卒でちゃんとした仕事に就ける人は、非常に限られています。社会人の方も「何のための大学院か」を明確にしておいた方が良いでしょう。以上のことをよく考えた上で、それでも大学院へ入りたいと思っているのならば、その期待に応えるだけのモノがあなたを待っています。
「まずはテーマを明確に」
2008年度入学
飯野 裕史(いいの ひろふみ)
「教養デザイン」の名に反し、当研究科はたいへん専門性の高い学術機関です。研究科内は「倫理・哲学・宗教」「文化」「平和・環境」の3つの領域に区分され、平和・環境領域研究コースでは、「平和構築」と「地球環境」の2つの専門分野が設けられています。したがって「教養デザイン研究科」に進学を希望する方は、ある程度明確な研究テーマを持っていることが望ましいでしょう。これは、2年という短期間に高い成果を得るための不可欠な条件といえます。
各コースは、相互の領域を習熟できるシステムとなっています。これは各々の研究に対し、グローバルな視点と多面的なアプローチを可能とする制度といえます。たとえば「地域紛争」を見る場合、宗教対立の文脈で近年の紛争が語られることは多いし、諸地域の多様な文化に精通することは、紛争の比較検討や本質を見極めるうえで重要な要素となるでしょう。一義的ではない研究領域に向き合う私たちにとって有用なカリキュラムなのです。
私は、1999年から数回に分けて旧ユーゴスラヴィア連邦諸国を自分の足で回りました。およそ5世紀に最初のスラヴ人が定住して以来、この地域は複数の言語集団が混住しながら発展し豊かな文化を育んできました。しかし80年代以降は、ナショナリズムを拠りどころとした政治体制を契機に、それまでの共存関係は破壊され住民同士が対立するようになりました。91年には国土の広範で内戦が勃発し、「民族浄化」と呼ばれる暴力を伴う他民族排斥運動が横行した地域でもあります。この凄惨な紛争の爪痕を目の当たりにして以来、この地域の紛争問題に取り組んできました。現在は、住民の対立が今日も続いているコソヴォの民族浄化を研究の対象としていますが、自堕落な性分と社会人ということもあり、のんびりと時間をかけて進めています。
大学院へ進学を希望しているみなさん、学部時代に得た学術的な基礎知識を礎石として、「教養デザイン研究科」で自身の持つ研究テーマに、とことん向き合ってみては如何ですか。進学前夜とは大きく異なる、新しい見解を自身に提示できるはずです。
教養デザイン研究科
概要研究科長あいさつ人材養成及び教育研究上の目的研究科概要学位 博士学位
修士学位
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