みなさんは借金に悩んだ経験はあるだろうか。なかには、サラ金やカードローンからお金を借りた人もいれば、奨学金貸与の返済に苦しんでいる人もいるかもしれない。しかし今日クレジットカードでショッピングをすれば、それだけで借金をしていることになる。それぐらい私たちの知らないところで借金は経済の前提になっているのだ。
借金の別名は負債である。本書は、借金についての名著『負債論』を、佐久間寛、箕曲在弘、小川さやか、佐川徹、松村圭一郎らの人類学者と思想史家の酒井隆史がそれぞれのフィールドで応答しながら論じたものである。
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紹介者:岩野 卓司(教養デザイン研究科教員・法学部教授)