数理のチカラ vol.7

日常生活×インターネットで未来の日常をつくる

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 渡邊 恵太



たとえば、レシピ通りの分量を自動的に計ってくれる計量スプーン、温め時間と同じ長さの動画を自動的に見せてくれる電子レンジ。こうした「近未来系アイテム」は、インターネットなどの技術と人間理解を融合させるデザインの力で実現できます。先端メディアで未来の日常を創る。作りながら学び、未知を未来に変えていこう!



ハサミからスマートフォンまで、世の中には私たちが日常生活で使う新旧のモノがあふれています。今後、スマートフォンに限らず、ハサミなどの日用品すべてがインターネットに接続され連動し、人々の行動をさりげなく支援する時代がやってきます。こういった時代に必要になってくるのが、人間の理解とそこから立ち上がるデザインの力です。

人間が「さりげなく」道具やモノと接することができるようにするためは、まず人間が日常生活での「どう動いているか」を理解することが重要です。私たちは普段、紛れもなく「動いて」生活していますが、自分がどう動いたかを意識することは少ないでしょう。しかし、そういった意識に登らないような「いつもやっていること」の中に人間が普段感じている価値や、発想のヒントがたくさんあるのです。一歩先のモノづくりは、人間の「いつも」の解体しテクノロジーと融合させる、人間をコアにしたデザインの力によって実現します。



冒頭の計量スプーンは「smoon(スムーン)」という名前で、料理の際に調味料などを計るわずらわしさをなくそうという発想から生まれたもの。スプーンの底がインターネット上のレシピと連動して自動的に変形するため、ただ調味料をすくってすり切りにするだけで、レシピ通りの分量がスプーンの中に入る仕組みになっています。また電子レンジは「キャストオーブン」と言い、調理時間を設定すると、ぴったり同じ長さの動画をインターネット上から探してきて扉の液晶ディスプレイで再生。電子レンジを、パソコンや携帯電話などのように動画が見られるメディアとして活用する──。これも、日常生活で使うモノをインターネットと融合することで進化させた一つの例と言えるでしょう。



いずれのシステムも実用化に向けて研究中の段階ですが、先端のモノづくりと聞くと、プログラムや電子回路、物性などと思ってしまいがちですが、先端のメディアを研究するためには、認知や心理、社会性などの人間理解も不可欠です。人間の新しい定義や捉え方がメディアや技術の使い方や考え方を一新させ、それが生活を一歩先へ導くのです。先端メディアサイエンス学科では、1年次からのゼミ配属によって実際に手を動かしながら、未来の問題や課題を議論検証できる環境がみなさんを待っています。
(了)

数理のチカラ : 先端メディアサイエンス学科

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