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明治大学広報
第572号(2006年6月1日発行)
論壇
黒川新農場の設置に向けて
農学部長 米山勝美
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 農学部では教育・研究の一層の充実を図るため、長い間千葉県誉田市と山梨県富士吉田市に分散している農場を生田キャンパス近くに統合化することを目指してきました。その夢が叶い、2004年9月に川崎市黒川地区に約13ヘクタールの農場用地を取得し、新農場を設置する運びとなりました。予定地は約130万市民が暮らす川崎市に位置し、周囲には人口約20万人の多摩ニュータウンがあり、生田キャンパスからも近く、立地的には大変恵まれています。

 農学部としては、新農場を今後半世紀以上にわたる教育・研究の基本条件と位置づけ、それに相応しい基本構想を作成するため精力的に検討を重ねてきました。大学付属農場の基本的な使命は、生物生産システムに関する学生の実習教育と基礎的・応用的研究の実施であり、本学の農場においてもこの点に変わりはありません。しかし、現在の社会的諸条件や諸課題を鑑みると、これからの農場には上記に加えてキャンパス的機能や地域貢献的機能などを備えた多目的農場が求められていると考えられます。この点において、黒川地区へ設置される新農場はサテライトキャンパスとしての機能をもたせるのに充分な自然的・立地的条件を備えており、本学学生の教育や研究あるいは地域に連携した研究など有用性の高い都市型農場が設置できるものと考えられます。そのためには、もちろんサテライトキャンパスに相応しい教育・研究のための近代的設備を有する施設が必要です。さらに、新農場が川崎市農業公園内に立地するという自然的・社会的条件を配慮して環境調和型生産システムを確保・ キる必要があります。

 このような点を踏まえて、新農場の果たすべき機能・役割として次の3点を重視しました。

@環境共生=エコ温室、植物工場、高機能浄化槽など未来型エコシステムの導入による環境に配慮した植物生産システム
A自然共生=黒川地区の里山が新農場と相互補完しながら存続できる里山共生システム
B地域共生=地域と連携した生産・販売や研究交流、社会人を対象としたアグリサイエンス・アカデミー(仮称)の開講、グリーン相談室の開設など、地域に密着した地域連携システム。

 これらは先端学術研究の推進、地域社会との連携強化、学生の社会的意識の向上など、いずれも本学の目指す大学改革の方向性と合致するものであり、新農場の設置は単に農学部における必要性ばかりでなく、大学全体における幅広い教育・研究の発展に大きく貢献するものといえます。また、他大学に先駆けて本学の特色を打ち出すためにも、新農場の早急な設置を大学にお願いしている次第です。



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