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明治大学広報
第572号(2006年6月1日発行)
就任所感
法科大学院長に就任して 法科大学院長 青山 善充
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 はからずも私は、4月から法科大学院長に就任することとなった。

 日本で法科大学院が設立されることになった理由は、周知の通り、@規制改革による事後救済型社会への転換に応じて、司法の担い手たる法曹を増員する必要があり、Aしかも、量だけでなく、質の高い法曹を養成するためには、従来の一発勝負の司法試験に代えて、高度専門職大学院においてじっくり時間をかけて教育する必要があるからであった。

 明治大学法科大学院も、この時代の要請を受けて設立され、今年で3年目(完成年度)を迎えた。学生数約500名、全国で6番目の大規模法科大学院である。その理念は、広い視野と高い志を持ち、創造的で柔軟な議論ができる優秀な法曹を司法界に輩出することを通じて、「明治法律学校」の衣鉢を継ぐことである。

 正念場はこれからである。創業も決して易くはなかったが、守勢はもっと難しい。わが法科大学院が、今後に生き残り、その名を燦と輝かせるためには、何が必要であろうか。

 第1に、教育に関していえば、前述の教育理念を堅持し、教員と職員がその職分に応じて、教育の質を充実させ、学生に対するきめ細かなケアを図ることが何よりも重要である。現在、教授陣は、このような使命感の下に、熱く懸命に教育に打ち込み、職員も、学生から全幅の信頼をかち得ている。

 第2に、わが法科大学院が燦として輝くためには、教授陣が研究においても優れた成果を世に問う存在であることが必要である。ところが、この点については、法科大学院の現状は、授業負担(準備も含めて)の加重の故に研究の時間が十分にとれない状況が続いており、その改善は喫緊の課題である。

 第3に、草創期の法科大学院にとっては危機管理がとりわけ重要であることは言うまでもない。不時の天災、事故、犯罪に適切に対処するだけでなく、教職員・学生の一寸した気の緩みから来るトラブルや不祥事・不行跡がその大学の信用を大きく傷つけることは、過去の幾多の大学の事例が教えるところである。

 所詮、私たちは、教員も職員も、『明治法科丸』という同じ船を運航するクルーであり、力を合わせて、乗客である学生を安全に目的地まで送り届ける必要がある。船内の風通しや環境を良くし、互いの切磋琢磨によって、自己の教育研究能力や事務処理能力を高めつつ、気を引き締めて船の安全な航行に心がけたいと考えている。全学各部局の教職員・学生、卒業生・校友の方々に、深いご理解とご支援をお願いする次第である。



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