第574号(2006年8月1日発行)
|
「昭和館」という記念館が九段下にある。
国民が体験した戦中・戦後の生活に係る資料を展示、後世代に伝える国立の施設である。さきごろ見学して改めて平和の尊さを痛感し、激動の幼少時がまざまざと甦り、苦難の歳月に涙した。
本学でも7月1日から「明大生と学徒兵」という大学史資料センター企画展が開かれている。主な展示品は戦死した明大生の遺品である。遺族からの寄贈という。死と隣り合せの戦時下、それでも精一杯学生生活を謳歌し、学問への憧憬を最後まで失わなかった明大健児の姿を今日の学生にも受けとめてほしい。
これに軌を一にして、本学OB佐々部清監督作品「出口のない海」が駿河台校舎で9月10日に先行公開される。理不尽な特攻兵器、人間魚雷「回天」で出撃する主人公は明大野球部出身者に設定されており、風化させてはならない記憶として、ぜひ観賞を奨めたい。
この戦争に実に4千名余の明大生が学徒出陣した。その事実を後世に残すため、大学・校友会が名簿の整理を進めている。問い合わせ等にぜひ皆様の協力をお願いしたい。
前のページに戻る |