今年も全国各地で父母懇談会が実施され、多くのご父母の参加をいただいた。いずれの親御さんも我が子の成績の状況はどうか、卒業はできるか、地方から東京に出ている場合には、つつがなく学生生活を送っているか、心配はつきない様子である。入学した後は４年間で無事に卒業し、“いいところ”に就職してほしい、というのがまさに親の願いであると感じた。

　さきごろＮＨＫで「ワーキングプア―働く貧困層―」なる特集を放送していた。働いても働いても収入が上がらない層の人たちがいるとのことだ。今や日本では３人に１人が非正規雇用者、フリーターや契約社員、嘱託社員だという。このような現実を見ると、親としては我が子の先行きを心配するのは当然である。

　本学では就職・キャリア形成支援センターを設置して、学生が職業知識・技能を涵養し主体的に進路を選択できる手助けをしている

　小さなわが子を橋から落として殺害するなどという想像すらできない事件を聞くにつけ、学生諸君には親の多大なる愛情が注がれていることを想い起してほしいと思った。