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明治大学広報
第577号(2006年11月1日発行)
論壇
「文理連携の大学院を目指して
理工学研究科に新領域創造専攻新設へ」 
理工学部長 向殿 政男
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“伝統を守る”とは、“理念を堅持しつつ時代の変化に対応することである”とは言い古されたフレーズであるが、わが明治大学の百数十年の歴史と伝統を守るために、時代の流れをしっかりと読んだその上で、変化に柔軟に対応するだけでなく、“時代の夢を破るべく” 新しい変化を作り出したいものである。

 われわれ大学を取り巻く時代の変化のひとつにグローバル化がある。グローバル化とは、そのひとつとして、学問の立場から見たら、俯瞰的、総合的な視点を重視し、大学の仕組み・機構から見たら、オープン化、すなわち学部内に閉じこもるのではなく、他学部や他大学に向けて、また地域や世界に向けて、大学を開かねばならないことを意味している。

 このようななか、理工学部は大学院の理工学研究科に新しい専攻として、新領域創造専攻を2008年度に設置すべく準備を進めている。理工学研究科には現在、主として産業分野を背景にした縦割りの5専攻があるが、今回はこれらに加えて、新しい時代に挑戦すべく領域横断的、総合的な新専攻として、新領域創造専攻を設置することにした。そのなかには、デジタル・コンテンツ系、数理ビジネス系、安全学系の3系を有し、生田だけでなく駿河台でも開講することを計画している。秋葉原サテライトキャンパスは、そのためのさきがけと考えている。理工系を学内に開いて社会・人文系と融合し、さらに、地域や他大学に開き、ネットワーク化することを目指している。

 “文理融合を目指す”とはこれも言い古されたフレーズであるが、現実にはなかなかうまくいかない。専門の基礎教育という面から見ると、拠って立つ基盤、理念が異なるからであろう。最初から教育内容がそのように計画されていない限り、また、社会がそのような人を重視する構造になっていない限り、真の文理融合の実現は困難であろう。学部ではなく大学院に社会・人文系を包含した領域横断的、総合的な新専攻を設置する理由は、学部で理工系の各分野の基礎を習得した上で、すなわち、しっかりとした専門を持った上で、社会・人文系も考慮した領域横断的、総合的な学問を学んでもらいたいからである。産業界で新しい分野を開拓し、従来の分野を領域横断的、総合的な見方で再構成できる人材の育成を目指したいからである。この意味からは、新領域創造専攻は、文理融合というよりは、文理連携が可能な人材の育成を目指すことになる。もちろん、社会・人文系を卒業した人や社会人も歓迎したい。必要な理系基礎の知識が不足している場合には、理工学部の科目を履修してそ・ 黷大学院の履修科目として認定することを可能にしたい。

 このチャレンジャブルな新しい専攻の出発に、ぜひ、ご支援・ご協力をお願いしたい。

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